高年齢雇用継続給付の支給条件と、定年再雇用との関係

60歳以降に賃金が下がったときに受けられる高年齢雇用継続給付の支給条件、支給額、申請の流れ、定年再雇用との関係、老齢厚生年金との調整を、ハローワークと日本年金機構の資料で整理します。

高年齢雇用継続給付の2種類と支給条件

ハローワークの「雇用継続給付」の案内(確認日2026-10-12)では、高年齢雇用継続給付は、雇用保険に入っていた期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の一般被保険者が、原則として60歳以降の賃金が60歳時点に比べて75%未満に低下した状態で働き続ける場合に支給されます。次の2種類があります。

種類対象支給対象期間
高年齢雇用継続基本給付金基本手当を受けずに、60歳以降も働き続ける人60歳に達した月から65歳に達する月まで。60歳時点で雇用保険の加入期間が5年に満たない場合は、5年になった月から
高年齢再就職給付金基本手当を受けたあと、60歳以後に再就職した人就職した日の属する月(月の途中の就職は翌月)から1年または2年を経過する月まで(65歳に達する月が限度)

再就職給付金には基本手当の受給状況などの別の要件があります。該当しそうな場合は、ハローワークの「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」の資料で確認するか、窓口に問い合わせてください。

支給額と、賃金の下がり幅(2025年4月以降)

支給額は、60歳以上65歳未満の各月の賃金が60歳時点の賃金のどれだけに下がったかで決まります。2025年4月1日以降に60歳に達した人(令和7年4月1日施行の改正後)の扱いは次のとおりです。

各月の賃金(60歳時点の賃金に対して)支給額
64%以下に低下各月の賃金の10%相当額
64%超75%未満に低下低下率に応じて、各月の賃金の10%相当額未満の額
75%以上(低下が小さい)支給対象にならない(要件が75%未満のため)

ハローワークの例では、60歳時点の賃金が月30万円で、60歳以後の各月の賃金が18万円になった場合は、60%に低下したことになり、18万円の10%にあたる1万8千円が支給されます。各月の賃金が一定の額を超える場合は支給されません。この額は毎年8月1日に変わるため、最新の額はハローワークで確認してください。

2025年3月31日以前に60歳に達した人(その時点で加入期間が5年に満たない場合は、5年になった日を迎えた人)は、賃金が61%以下に低下したときの支給額が各月の賃金の15%相当額で、61%超75%未満の間は低下率に応じて15%未満の額になります。

定年再雇用との関係

60歳定年のあと同じ会社で再雇用されると、賃金が下がるのが一般的です。ハローワークの案内に照らすと、働き続けている人は高年齢雇用継続基本給付金の対象で、条件は次の2つを見ます。

一度退職して基本手当を受けたあとに再就職した人は、再就職給付金の区分に当たります。どちらの区分に当たるかは、退職と基本手当の受給の有無で分かれます。支給額の上限は、どちらも各月の賃金の10%です(2025年4月以降に60歳に達した人)。

再雇用にあたって定年時に退職金を打切り支給する場合の所得区分は定年後の再雇用と打切り支給で確認できます。

申請の流れ

項目内容
申請する人事業主が行うのが原則。本人が自分で申請したい場合は本人も可
提出先事業所の所在地を管轄するハローワーク(電子申請も可)
提出の間隔原則として2か月に一度、支給申請書を提出
初回の期限最初に支給を受けようとする支給対象月の初日から4か月以内
主な添付書類雇用保険被保険者六十歳到達時等賃金証明書、賃金台帳・出勤簿などの賃金の確認書類、年齢の確認書類(運転免許証や住民票の写し)

2回目以降の提出は、ハローワークから渡される次回支給申請日指定通知書に書かれた月に行います。

老齢厚生年金との調整

日本年金機構の案内では、厚生年金保険の被保険者で、特別支給の老齢厚生年金など65歳になるまでの老齢年金を受けている人が高年齢雇用継続給付を受けられるときは、在職による年金の支給停止に加えて、年金の一部が支給停止されます。停止される額は、最高で標準報酬月額の4%です(2025年3月31日以前に支給要件を満たした人は最大6%)。年金事務所への届出が必要になる場合があります。

在職中の年金の支給停止の仕組みは在職老齢年金の支給停止調整額で確認できます。失業手当との関係は失業手当はいつ・いくらで確認できます。

ハローワークインターネットサービスと日本年金機構の公開資料(2026-10-12確認)にもとづく一般的な説明です。個別の支給可否・支給額は、ハローワークの窓口へ確認してください。年金との調整は年金事務所で確認してください。

よくある質問

高年齢雇用継続給付は、どんな人がもらえますか。

雇用保険に入っていた期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の一般被保険者で、原則として60歳以降の賃金が60歳時点より75%未満に下がった状態で働き続ける人が対象です(ハローワークの案内)。

いくらもらえますか。

2025年4月以降に60歳に達した人は、賃金が60歳時点の64%以下に下がったとき、各月の賃金の10%相当額が最大です。64%超75%未満の場合は、低下率に応じて10%未満の額になります。2025年3月31日以前に60歳に達した人は、61%以下で15%相当額が最大です。

定年後に再雇用されて給料が下がったら、対象になりますか。

同じ会社などで働き続け、雇用保険の加入期間が5年以上あって、各月の賃金が60歳時点の75%未満に下がっていれば、高年齢雇用継続基本給付金の対象になりえます。個別の可否はハローワークで確認してください。

申請は誰がどこへ出しますか。

事業主が事業所の所在地を管轄するハローワークへ出すのが原則で、本人が申請することもできます。初回は、最初に支給を受けようとする支給対象月の初日から4か月以内で、以降は原則2か月に一度です。

年金をもらっていると、給付金はどうなりますか。

特別支給の老齢厚生年金など65歳前の年金を受けている厚生年金保険の被保険者が給付を受けられるときは、在職による支給停止に加えて、最高で標準報酬月額の4%の年金が支給停止されます(日本年金機構)。

出典