電卓とグラフの書類

業種別・企業規模別の退職金相場(モデル退職金額)

東京都の中小企業(従業員10〜299人)・調査産業計・大学卒のモデル退職金は、勤続20年で自己都合346.8万円・会社都合408.1万円、定年(会社都合)で1,149.5万円です(東京都「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」、一覧は下の表)。

自分の業種・企業規模・学歴・勤続年数に近い退職金の目安を確認できます。業種別は東京都の中小企業と中央労働委員会の大企業、企業規模別は厚生労働省の全国調査で確認します。業種別ページ一覧から各業種の表へ進めます。

地域・企業規模を切り替えて、公的統計に基づく退職金モデル額を確認できます。調査ごとに対象範囲・区分が異なるため、切り替えても同じ条件同士の比較にはならない点にご注意ください。

東京都「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」。都内・従業員10〜299人の中小企業が対象です。

このデータは東京都内・従業員10〜299人の中小企業を対象とした調査の平均的な支給額です。個々の企業の退職金規程・制度によって実際の金額は異なります。従業員300人以上の企業や東京都以外の地域の相場は本データに含まれません。

東京都の表のデータについて(東京都産業労働局)

東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」第8表(業種別モデル退職金)を使用しています。学歴3区分(高校卒・高専短大卒・大学卒)×勤続年数11区分(1〜37年・定年)で、自己都合退職・会社都合退職それぞれの支給額(千円単位)が公開されています。

詳しい出典はデータの出典ページをご覧ください。モデル額から手取りを見るには退職金の手取り早見表、税額の枠は退職所得控除額の早見表が参考になります。自社の算定式の型を確かめるには退職金規程の読み方が参考になります。学歴別の定年退職金と支給月数は学歴別の定年退職金のページ、平成20年から令和5年までの定年退職者1人平均の退職給付額の移り変わりは定年退職者1人平均の退職給付額の推移にまとめています。勤続年数の区分に迷うときは退職金の勤続年数の数え方も確認してください。短期退職や役員退職など、特殊な計算が必要な場合は短期退職手当等の計算方法もご参考ください。

そもそも退職金制度がある企業の割合と、一時金・年金の内訳は退職金制度がある企業の割合と種類で確認できます。県の調査では、長野県と鹿児島県の退職金制度がある事業所の割合を比べられます。

代表値: 東京都・調査産業計・大学卒のモデル退職金

業種と学歴を選ばなくても読めるよう、東京都(都内・従業員10〜299人)の調査産業計・大学卒の値を載せます。上の表で選ぶ値と同じデータです。

勤続年数年齢自己都合退職会社都合退職
勤続10年32112.5万円144.8万円
勤続20年42346.8万円408.1万円
勤続30年52750.7万円776.2万円
定年—該当なし1,149.5万円

定年の自己都合退職は、定義上ないため「該当なし」です。全国・企業規模別(厚生労働省)と1,000人以上(中央労働委員会)を、大学卒・勤続年数をそろえて並べた表は企業規模別の退職金を比較にあります。

退職金制度の種類(退職一時金・企業年金・併用)

退職金制度の種類は、退職時にまとめて受け取る「退職一時金制度」、年金の形で受け取る「退職年金制度(企業年金)」、その両方を持つ「併用」の3つに分けて調べられています。

表の金額は、どの制度かで意味が変わります。厚生労働省の就労条件総合調査の区分では、退職一時金制度のみ、退職年金制度のみ、両制度併用の順に金額を載せています。

自社の制度がどれかは、退職金規程で確認できます。金額の差の具体例は、下の「平均額の読み方」にあります。

モデル退職金と、業種別・規模別の実態調査の違い

「モデル退職金」は、学歴と勤続年数を決めた標準的な社員に、退職金規程どおりに支給した場合の額を企業へ尋ねて集計した数字です。東京都と中央労働委員会の表がこの形です。一方、厚生労働省の就労条件総合調査は、実際に定年退職した人の支給額を調べた実績の数字で、企業規模別に見られますが、業種別の内訳はありません。

「業種別・規模別の退職金」を探すときは、業種で見るなら東京都(中小企業)か中央労働委員会(大企業)、規模で見るなら厚生労働省の表を使います。調査ごとに対象の会社と条件が違うため、別の調査の金額どうしを足したり、同じ物差しで並べたりしないでください。また、民間調査などが公表する「モデル退職金」は、ここで使っている公的調査とは対象と条件が異なります。

2025年調査の「モデル退職金2,558万8,000円」の対象条件は、大企業・大学卒・総合職相当・定年のモデル退職金で確認できます。

よくある質問

退職金の相場は何を見ればわかりますか。

業種別は東京都(都内の中小企業)と中央労働委員会(大企業・独自の32区分)、企業規模別は厚生労働省の就労条件総合調査(全国・企業規模5区分、業種区分なし)で確認できます。調査ごとに対象範囲・区分が異なるため、切り替えても同じ条件同士の比較にはなりません。

東京都のデータは、どの会社が対象ですか。

東京都「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」で、都内・従業員10〜299人の中小企業が対象です。従業員300人以上の企業や東京都以外の地域の相場は含まれません。自己都合退職と会社都合退職の支給額が、学歴3区分と勤続年数別に公表されています。

全国・企業規模別のデータは、自己都合と会社都合で分かれていますか。

分かれていません。厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」第38表は、勤続20年以上かつ45歳以上で定年退職した人が対象で、自己都合退職・会社都合退職の区別はなく、業種別の内訳もありません。「X」は個社特定を避けるための非公表、「-」は該当企業なしを意味します。

表示される金額は、自分の退職金になりますか。

なりません。表の金額は調査の平均的な支給額で、個々の企業の退職金規程・制度によって実際の金額は異なります。自社の制度は、就業規則・退職金規程や人事担当に確認してください。

自社の退職金が相場より高いか低いかは、どう比べればよいですか。

学歴・勤続年数・退職理由を、表の条件に合わせて同じ行の数字と比べます。たとえば退職金規程から計算した金額が、大学卒・勤続20年・自己都合で300万円(仮の数字)なら、東京都の表の346.8万円より約46.8万円少ない水準です。ただし表は平均的な支給額なので、数十万円の差は会社の規模や制度の違いでも生じます。差が小さいときは「相場とほぼ同じ」と読み、大きく離れるときに規程の内容(算定基礎額・支給率・勤続年数の数え方)を確認してください。

相場と比べるとき、どんな偏りに注意すればよいですか。

東京都の表は都内・従業員10〜299人の中小企業だけ、厚生労働省の表は定年退職者の実績だけが対象です。そのため、従業員300人以上の会社、地方の会社、自己都合で辞める場合を、そのまま比べると差が出やすくなります。また、個別業種は集計対象の会社が少なく参考値です。自社と同じ規模・地域・退職理由の調査を選び、迷うときは調査産業計の行を基準にしてください。

平均額より自分の退職金が低いのは、少ないということですか。

一概には言えません。表の金額は集計対象の平均額で、制度の形態(退職一時金のみ、退職年金のみ、両方)や退職事由(定年、会社都合、自己都合、早期優遇)によって大きく変わります。厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」では、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の定年退職者の平均は、退職一時金制度のみで1,623万円、両制度併用で2,261万円でした。公表されている表は平均額で、中央値の表は載っていません。自社の制度と条件が近い行を選び、退職金規程を確認してください。詳しくは平均額の読み方で説明しています。

表の読み方の計算例(東京都・調査産業計・大学卒・勤続20年)

東京都の表(令和6年版)で、業種「調査産業計」、学歴「大学卒」、勤続20年(年齢42歳)の行を例に、自分の条件に当てはめる手順を説明します。表の金額は千円単位で公開されています。

  1. 業種と学歴を選び、自分の勤続年数に近い行を探します。表にあるのは決まった勤続年数の行だけなので、間の年数の行はありません。
  2. 自分の退職理由に合う列を読みます。自己都合退職と会社都合退職で金額が分かれています。
  3. 千円単位の数字を万円に直します。千円単位の数字を10で割ると万円です。
  4. その金額で手取りを計算します。
項目自己都合退職会社都合退職
表の数字(千円)3,4684,081
万円に直した金額346.8万円408.1万円
勤続20年の退職所得控除額800万円800万円
控除後の金額0円(控除額の範囲内)0円(控除額の範囲内)
所得税・住民税0円0円
手取り額3,468,000円4,081,000円

この例では、会社都合の方が約61万円多く、どちらも退職所得控除額(勤続20年は40万円×20年=800万円)より少ないため、国税庁の計算式で試算した税金は0円になります。表の数字は企業が回答した平均的な支給額で、自分の会社の規程の金額ではありません。実際の金額は勤務先の退職金規程で確かめてください。

相場を見たあとに確認すること

退職の状況(定年・自己都合・会社都合・早期退職)によって、税金と受け取り方の扱いが変わります。次の記事で確認できます。

平均額の読み方(平均と個別企業の差)

このページの金額は、調査に回答した企業や退職者を集計した平均額です。自分の退職金が平均より低くても、すぐに少ないとは判断できません。理由は主に3つあります。

厚生労働省の概況に載る退職給付額の表は「1人平均」の額で、中央値の表は載っていません。このページでも中央値は示していません。平均は、金額の大きい少数の退職者に引き上げられることがあるため、平均より低い金額が「ふつうより少ない」とは限りません。個別の企業の金額は、就業規則や退職金規程で決まります。規程の読み方は退職金規程の読み方、税引後の手取りは手取り計算で確認できます。

出典: 厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」結果の概況 第22表・第23表(mhlw.go.jp、確認日: 2026-10-24)

業種別ページ一覧

業種ごとの学歴・勤続年数別モデル退職金額を、表形式で個別ページにまとめています。たとえば金融・保険業の退職金や生活関連サービス業(美容・クリーニング・娯楽など)の退職金のページがあります。業種を横に並べて比べる場合は業種別の退職金を一覧で比較をご覧ください。

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