雇用保険の遡及加入(原則2年・天引きの証明で2年超)と失業手当への影響

会社が雇用保険の加入手続きを忘れていた場合に、遡って加入できる期間と、失業手当(基本手当)の給付日数への影響を、厚生労働省とハローワークの資料で整理します。

遡って加入できる期間(原則2年、天引きの証明があれば2年超)

事業主は、従業員を雇ったとき、被保険者となった日の属する月の翌月10日までに、雇用保険被保険者資格取得届を提出する決まりです。この手続きが漏れていたときは、過去に遡って確認が行われます。

状況遡れる範囲
給与から雇用保険料が天引きされていた証明がない被保険者であったことが確認された日の2年前まで(それより前に被保険者となった日は、確認日の2年前の日とみなされます)
給与から雇用保険料が天引きされていたことが、賃金台帳や給与明細書などで確認できる2年を超えて遡れます(平成22年10月1日以降の離職者が対象)

東京ハローワークのQ&Aには、平成19年4月1日に雇い入れた人の手続きが漏れていて、確認が平成22年4月1日に行われた場合、2年前の平成20年4月1日に被保険者となったものとみなす例があります(雇用保険法第14条)。

2年を超える遡及に必要なもの

厚生労働省のリーフレットは、2年を超えた期間について、雇用保険料が給与から天引きされていたことが確認できる書類(給与明細、源泉徴収票など)を、ハローワークへ持参して手続きするよう案内しています。平成22年10月1日より前に離職した人は対象になりません。ただし、離職後1年以内に失業手当を受けず、次の職場で雇用保険の被保険者資格を取得した人は、その時点から対象になります。在職中の人も、遡って加入手続きができます。

失業手当にどう影響するか

失業手当の給付日数は、年齢、被保険者であった期間、離職の理由などで決まります。遡及加入で被保険者であった期間が長く認められると、所定給付日数が増える場合があります。厚生労働省のリーフレットの例では、倒産・解雇で離職した人が6年前の給与明細で保険料の天引きを確認できたとき、30歳以上45歳未満の人は90日から180日、45歳以上60歳未満の人は180日から240日に増えます。

一方で、リーフレットは、期間の是正で給付が有利になる場合もあれば有利にならない場合もあると注意しています。時効により消滅した給付や、給付を受けるための申請期限を過ぎた給付は変更されない場合もあります。「被保険者期間が足りない」と言われたときに、必要な期間の数え方は失業手当に必要な被保険者期間の数え方で、離職票に書かれた期間の見方は離職票の見方で確認できます。

確認先

このページで扱わないこと

よくある質問

会社が雇用保険の手続きをしていなかったとき、何年前まで遡って加入できますか。

被保険者となった日が、被保険者であったことの確認が行われた日から2年より前の場合は、確認日の2年前の日に被保険者となったものとみなされます(雇用保険法第14条、東京ハローワークのQ&A)。平成22年10月1日以降は、給与から雇用保険料が天引きされていたことが賃金台帳や給与明細書などで確認できれば、2年を超えて遡って加入できます。

在職中でも遡って加入手続きができますか。

厚生労働省のリーフレットによると、在職中の人も、遡って雇用保険の加入手続きができます。

遡って加入すると、失業手当は必ず増えますか。

必ず増えるとは限りません。厚生労働省のリーフレットは、被保険者であった期間の是正によって、給付が有利になる場合もあれば有利にならない場合もあるとし、時効により消滅した給付や申請期限を過ぎた給付は変更されない場合もあるとしています。ハローワークに相談してください。

厚生労働省とハローワークの公式案内にもとづく一般的な説明です。遡及の可否や被保険者期間の確定は、住所地を管轄するハローワークが判断します。個別の判断は断定できません。確認日: 2026-10-15。

出典