小規模企業共済の共済金・解約手当金の税金(受け取り方ごとの所得区分)

個人事業主や会社役員が小規模企業共済から受け取る共済金・解約手当金が、退職所得・公的年金等の雑所得・一時所得のどれになるかを、受け取り方別に中小機構と国税庁の資料で整理します。具体的な税額は個別の事情で変わるため、ここでは区分の説明までです。

受け取り方ごとの税の区分(中小機構の案内)

中小機構の「共済金等請求・解約」ページ(確認日2026-10-20)は、共済金と解約手当金は受け取る年齢や一括・分割などの受取方法で税法上の取扱いが異なると案内しています。

受け取り方税法上の取扱い
共済金(死亡除く)または準共済金を一括で受け取る退職所得扱い
共済金を分割で受け取る公的年金等の雑所得扱い
共済金を一括・分割併用で受け取る一括分は退職所得扱い、分割分は公的年金等の雑所得扱い
65歳以上の任意解約(共同経営者は任意退任)退職所得扱い
65歳未満の任意解約(共同経営者は任意退任)一時所得扱い
個人事業主が法人成りし、加入資格は残ったまま解約する退職所得扱い
12か月以上の掛金の未払いによる解約(機構解約)一時所得扱い
遺族が共済金を受け取る(死亡退職金)相続税法上のみなし相続財産

国税庁のタックスアンサーNo.2725(退職所得となるもの)も、退職手当等とみなされるものの一つとして、中小機構が小規模企業共済契約に基づいて支給する一定の共済金または解約手当金を挙げています。退職所得になる他の一時金は退職金以外で退職所得になる一時金の一覧で確認できます。

分割で受け取れる条件と、一括との併用

共済金Aは個人事業の廃業などで、共済金Bは65歳以上で180か月以上掛金を払い込んだ老齢給付で受け取る共済金です(中小機構「共済金等請求・解約」)。

中小機構の制度のしおり(令和8年6月改訂版)では、分割受取りは共済金AおよびB(死亡請求を除く)が対象で、共済金の額が300万円以上、かつ共済事由が生じた時点で60歳以上であることが条件です。受取期間は10年または15年です。準共済金と解約手当金は分割できません。

一括と分割の併用は、共済金の額が330万円以上、分割分が300万円以上で一括分が30万円以上、共済事由が生じた時点で60歳以上の条件をすべて満たす場合にできます。

源泉徴収と、分割のときの課税対象

制度のしおりによると、退職所得扱いと公的年金等の雑所得扱いの場合は、所定の税額を中小機構が源泉徴収します。分割共済金は、その年に受け取った分割共済金に他の公的年金等を加えた額から公的年金等控除の額を差し引いた額が課税対象です。退職所得の手取りの目安は手取り早見表と手取り計算で確認できます。

掛金を止める「掛止め」をした期間は、共済金等の退職所得控除額の計算のための共済契約期間に入りません(制度のしおり)。

掛金は全額が所得控除、開業後の備えとしての位置づけ

国税庁のタックスアンサーNo.1135では、小規模企業共済等掛金控除として、その年に支払った掛金の全額を控除できるとされています。開業や廃業の手続き全体は開業・フリーランスになるときの退職手続きで確認できます。

中小機構と国税庁の公開資料(2026-10-20確認)にもとづく一般的な説明です。個別の税額や、勤続年数にあたる期間の数え方、申告の要否は、加入状況によって変わります。税理士または税務署、中小機構の共済相談窓口へ確認してください。本サイトは税務相談・申告代行を行いません。

よくある質問

小規模企業共済の共済金を一括で受け取ると、何の所得になりますか。

中小機構の案内では、共済金(死亡除く)または準共済金を一括で受け取る場合は退職所得扱いです。所定の税額は中小機構が源泉徴収します。

分割で受け取ると税金は変わりますか。

中小機構の案内では、共済金を分割で受け取る場合は公的年金等の雑所得扱いです。その年に受け取った分割共済金に他の公的年金等を加えた額から公的年金等控除を差し引いた額が課税対象になります。

途中で解約したときの解約手当金は何の所得ですか。

中小機構の案内では、65歳以上の任意解約は退職所得扱い、65歳未満の任意解約は一時所得扱いです。12か月以上の掛金の未払いによる機構解約も一時所得扱いです。個人事業主が法人成りして解約する場合は退職所得扱いです。

一括と分割を併用できますか。

制度のしおりでは、共済金AとB(死亡請求を除く)について、共済金の額が330万円以上、分割分が300万円以上かつ一括分が30万円以上、共済事由が生じた時点で60歳以上の条件をすべて満たすとき併用できます。一括分は退職所得扱い、分割分は公的年金等の雑所得扱いです。

出典