退職から開業までの手続きの順番
会社員が退職して開業・フリーランスになるときは、退職日の前後に次の手続きが重なります。期限があるものを先に済ませ、失業手当と再就職手当は開業前にハローワークで確認します。
| 順番 | 手続き | 目安・窓口 |
|---|---|---|
| 1 | 国民年金第1号被保険者への加入 | 退職日の翌日から14日以内。住所地の市区役所・町村役場 |
| 2 | 健康保険の選択(任意継続・国民健康保険・家族の扶養) | 期限は選ぶ制度で異なる。詳しくは退職後の健康保険の選び方 |
| 3 | ハローワークで求職の申込みと、開業時の給付の相談 | 住所または居所を管轄するハローワーク |
国民年金の手続きは退職後の国民年金への切り替え、各手続きの期限は退職後の手続き期限の一覧で確認できます。
開業したときの再就職手当(事業開始)
ハローワークの「再就職手当のご案内」には、再就職手当の支給要件が8つ挙げられています(確認日2026-10-13)。その一つ目が「受給手続き後、7日間の待期期間満了後に就職、又は事業を開始したこと」で、事業の開始も対象に含まれています。ほかに、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること、過去3年以内に再就職手当または常用就職支度手当を受けていないこと(事業開始に係る再就職手当も含む)も要件です。
ハローワークの就職促進給付のページでは、再就職手当の対象となる例として、雇用保険の被保険者となる場合や、事業主となって雇用保険の被保険者を雇用する場合などが挙げられています。給付率は、支給残日数が所定給付日数の3分の2以上なら70%、3分の1以上なら60%です。一人で開業する場合の個別の可否や、必要な書類は、事業を始める前にハローワークの窓口で確認してください。支給額の計算は早く再就職したときの再就職手当で確認できます。
開業して事業をしている間の受給期間の特例
失業手当の受給期間は、原則として離職した日の翌日から1年間です。ハローワークの説明では、離職日の翌日以後に事業を開始した人・事業に専念し始めた人・事業の準備に専念し始めた人が事業を行っている期間は、次の要件を満たすと、最大3年間、受給期間に算入しない特例を申請できます。
- 事業の実施期間が30日以上であること
- 事業を開始した日などから30日を経過する日が、受給期間の末日以前であること
- その事業について、就業手当または再就職手当の支給を受けていないこと
- その事業で自立できないと認められる事業ではないこと
申請は、事業を開始した日などの翌日から2か月以内に、住所または居所を管轄するハローワークに行います。再就職手当と、この特例は、同じ事業では両方使えません。どちらが自分に合うかはハローワークで相談してください。
失業手当を受けながら開業準備をするとき
失業手当は、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるのに、職業に就けない「失業の状態」にある人が対象です。開業準備と失業の認定の関係は、個別の状況で判断が分かれるため、準備を始めた時点でハローワークに伝えて確認するのが安全です。偽りその他不正の行為で基本手当を受けると、返還を命じられ、あわせて不正に受けた額の2倍以下の金額の納付を命じられることがあります。
国民健康保険と国民年金への切り替え
日本年金機構は、国民年金第1号被保険者の加入手続きの提出期限を、退職日の翌日から14日以内としています。健康保険は、協会けんぽの任意継続、国民健康保険、家族の健康保険の被扶養者の3つから選びます。国民健康保険は市区町村、任意継続は協会けんぽの支部が窓口で、保険料の決まり方が異なります。比較は退職後の健康保険の選び方、国民健康保険料への退職金の影響は退職金は国民健康保険料の算定に入るかで確認できます。
退職金の手取りは手取り計算、失業手当の目安は失業手当はいつ・いくらで試算できます。
よくある質問
退職して開業するとき、手続きはどの順番で進めますか。
退職日の翌日から14日以内に国民年金第1号被保険者の加入手続き(日本年金機構の案内)が必要です。健康保険は、任意継続・国民健康保険・家族の扶養から選びます。失業手当や再就職手当を使いたい場合は、開業の前にハローワークで求職の申込みと相談をしておきます。
開業すると再就職手当はもらえますか。
ハローワークの「再就職手当のご案内」では、受給手続き後の7日間の待期期間の満了後に就職または事業を開始したことが、支給要件の一つです。ほかに、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あることなどが必要で、過去3年以内に事業開始に係る再就職手当を受けていないことも求められます。一人で開業する場合の個別の可否はハローワークで確認してください。
開業して事業をしている間は、失業手当の受給期間はどうなりますか。
ハローワークの説明では、離職日の翌日以後に事業を開始した人などが事業を行っている期間は、要件を満たせば最大3年間、受給期間に算入しない特例を申請できます。事業の実施期間が30日以上であること、就業手当や再就職手当を受けていないこと、自立できないと認められる事業ではないことなどが要件で、申請は事業を開始した日などの翌日から2か月以内です。
開業する場合も国民健康保険に入るのですか。
退職後の健康保険は、協会けんぽの任意継続、国民健康保険、家族の健康保険の被扶養者の3つから選びます。開業した人が必ず国民健康保険になるわけではありません。比較は「退職後の健康保険の選び方」のページで整理しています。
失業手当をもらいながら開業準備をしてよいですか。
失業手当の受給には、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるのに職業に就けない状態にあることが必要です。偽りその他不正の行為で基本手当を受けると、返還に加えて、不正に受けた額の2倍以下の金額の納付を命じられることがあります。開業の準備を始めたら、早めにハローワークへ相談してください。
出典
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(www.hellowork.mhlw.go.jp)
- ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」(www.hellowork.mhlw.go.jp)
- ハローワーク「再就職手当のご案内」(PDF)(www.hellowork.mhlw.go.jp)
- 日本年金機構「国民年金第1号被保険者の加入手続き」(www.nenkin.go.jp)