障害のある人が退職したときの失業手当(就職困難者)と退職金の障害者加算

就職困難者の失業手当の給付日数、病気やけがで働けないときの受給期間の延長、障害年金との関係で確かめられた点、退職所得控除の100万円加算を、ハローワークと国税庁の資料で整理します。

結論: 失業手当は日数が増え、退職金は控除が100万円増える場合がある

障害のある人が退職したとき、確認する制度は2つです。1つは失業手当(雇用保険の基本手当)で、障害者などの就職が困難な人は「就職困難者」として所定給付日数が手厚くなります。もう1つは退職金の税金で、障害者になったことが直接の原因で退職した場合は、退職所得控除額に100万円が加わります。どちらも、自分が当てはまるかはハローワークまたは税務署が判断します。

失業手当の所定給付日数(就職困難者と一般の離職者)

基本手当の所定給付日数は、離職理由、年齢、被保険者であった期間、就職困難者かどうかで決まります。ハローワークの表から、就職困難者と、自己都合などの一般の離職者を並べます。

被保険者であった期間離職時の年齢就職困難者
1年未満45歳未満150日
1年未満45歳以上65歳未満150日
1年以上45歳未満300日
1年以上45歳以上65歳未満360日
被保険者であった期間一般の離職者(全年齢)
10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日

倒産・解雇などによる離職(特定受給資格者)の日数は別の表です。失業手当はいつ・いくらを見てください。

就職困難者に当たる人と、窓口へ持っていくもの

ハローワークは、就職困難者を、身体障害者、知的障害者、精神障害者、刑法等の規定により保護観察に付された人、社会的事情により就職が著しく阻害されている人などとしています。厚生労働省のQ&Aは、障害者等の就職が困難な人は所定給付日数が手厚くなるため、受給手続のときに身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳などを持参するよう案内しています。

手帳の等級や、離職の前後どちらに手帳を取得したかで区分がどうなるかは、ここでは断定できません。ハローワークで確認してください。

病気やけがで働けない期間があるとき

ハローワークの案内では、基本手当の受給期間は離職日の翌日から原則1年間(所定給付日数が360日の人は1年と60日)です。その間に病気、けがなどで引き続き30日以上働けなくなったときは、働けなかった日数だけ受給期間を延ばせます。延長できるのは最長3年間で、360日の人は3年から60日を引いた期間までです。

求職の申込みをした後に15日以上引き続いて病気やけがで働けないときは、基本手当の代わりに傷病手当が出ます。日額は基本手当と同額で、同じ病気やけがについて他の法令による類似の給付を受ける日は支給されません。

障害年金との関係

障害年金と失業手当を同時に受けられるかは、一次資料では確かめられませんでした。確かめられたのは次の点です。厚生労働省の労働局の資料で、失業給付と同時に受けられないとされているのは、65歳未満で支給される老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金を含む)などで、失業給付を受けている間は全額が支給停止になります。同じ資料に、障害年金を調整の対象とする記載はありません。

自分の障害年金が失業手当の受給に影響するかは、年金事務所とハローワークの両方に確認してください。

退職金の税金: 障害者になったことが原因の退職は控除が100万円増える

国税庁によると、退職所得控除額は、勤続20年以下なら40万円×勤続年数(80万円に満たないときは80万円)、20年超なら800万円+70万円×(勤続年数-20年)です。障害者になったことが直接の原因で退職した場合は、この額に100万円を加えます。

勤続11年・退職金800万円の人で比べます。国税庁の例1と同じ条件に加算を当てはめた、このサイトの試算です。

項目加算がない場合障害退職の加算がある場合
退職所得控除額40万円×11年=440万円440万円+100万円=540万円
課税退職所得金額(800万円-440万円)×1/2=180万円(800万円-540万円)×1/2=130万円
源泉徴収される所得税等(申告書を出した場合)91,890円130万円×5%×102.1%=66,365円

「障害者になったことが直接の原因で退職した場合」に自分が当てはまるかは、断定できません。税理士または税務署へ確認してください。申告書の出し方は退職所得の受給に関する申告書を出す・出さないの税額の違い、控除額の早見は退職所得控除の早見表にあります。

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よくある質問

障害者手帳があると、失業手当は何日もらえますか。

ハローワークの表では、就職困難者の所定給付日数は、被保険者であった期間が1年未満なら150日、1年以上なら45歳未満で300日、45歳以上65歳未満で360日です。就職困難者に当たるかは、受給手続のときにハローワークが判断します。

障害年金をもらっていると、失業手当は受けられませんか。

一次資料では、障害年金と失業手当の併給の可否を確かめられませんでした。失業給付と同時に受けられないと資料に書かれているのは、65歳未満で支給される老齢厚生年金などです。障害年金は年金事務所とハローワークに確認してください。

障害が原因で退職したとき、退職金の税金は軽くなりますか。

障害者になったことが直接の原因で退職した場合、退職所得控除額に100万円が加わります。勤続11年・退職金800万円で申告書を出した場合、源泉徴収の所得税等は91,890円から66,365円になる試算です。当てはまるかは税務署または税理士に確認してください。

病気やけがで働けない間も、失業手当の受給期間は進んでしまいますか。

引き続き30日以上働けなくなったときは、働けなかった日数だけ受給期間を延ばせます(最長3年間)。延長の申請は、働けなくなった日の翌日以降、早めにハローワークへするのが原則です。

ハローワークインターネットサービス、厚生労働省の雇用保険Q&A、厚生労働省北海道労働局の年金調整の案内、国税庁タックスアンサーNo.1420・No.2732(令和8年4月1日現在法令等)にもとづく一般的な説明です(確認日: 2026-10-14)。個別の判断はハローワーク・年金事務所・税務署が行うため、各窓口または税理士へ確認してください。

出典