退職所得の受給に関する申告書を出す場合・出さない場合の源泉徴収の違い

退職金800万円で、申告書を出すと所得税等は91,890円、出さないと1,633,600円になります。引かれ方の違いと確定申告の要否を、国税庁の資料で整理します。

違いが出る場面

会社が退職金から引く所得税は、「退職所得の受給に関する申告書」を会社に出したかどうかで計算方法が変わります。出した場合は、勤続年数に応じた退職所得控除(税金がかからない枠)を引いたうえで税額を計算して引かれます。出さなかった場合は、退職金の額に一律20.42%をかけた額が引かれ、その後に自分で確定申告をして精算します。

同じ退職金800万円での比較

国税庁の例にある退職金800万円のケースを並べます。申告書を出した場合の例は勤続10年2か月(勤続年数は11年に切り上げ)です。

項目申告書を出した場合出さなかった場合
会社が引く所得税等91,890円1,633,600円
計算の考え方(800万円-退職所得控除額440万円)×1/2=180万円に、税率5%と復興特別所得税分(102.1%)を適用800万円×20.42%
確定申告原則として不要自分で申告して精算する

差額は、1,633,600円-91,890円=1,541,710円です(上の2つの金額から計算した値)。出さなかった場合に多く引かれた分は、確定申告で精算します。

申告書を出した場合でも確定申告が要る場面

申告書を出していても、医療費控除や寄附金控除を受けるために確定申告書を出すときは、確定申告書に退職所得の金額を書く必要があります。

勤続年数の数え方

勤続年数は、退職の日まで引き続き勤めた期間の年数で、1年に満たない端数は1年に切り上げます。10年2か月なら11年です。長期の欠勤や病気での休職の期間も、勤続期間に含まれます。

会社が申告書を電子で受け取る場合

支払者が一定の要件を満たすと、申告書は電磁的方法(電子データ)で提供できます。要件は、記載事項を適正に受けられる措置、提供した人を特定する措置、提供された内容を画面表示や書面出力できる措置の3つです。電子で受け付けるかどうかは会社ごとに異なるため、勤務先に確認してください。

自分の条件で手取りを確かめる

業種・企業規模・勤続年数ごとの退職金の相場は相場を見る、申告書を出した場合の手取りの試算は手取り計算で確認できます。勤続5年以下の方は短期退職手当等(勤続5年以下)の計算も確認してください。

国税庁タックスアンサーNo.2732「退職手当等に対する源泉徴収」とNo.1420「退職金を受け取ったとき(退職所得)」(令和8年4月1日現在法令等)の記載にもとづく一般的な説明です。個別の税務判断、同じ年に複数の勤務先から受け取る場合などは、税理士または税務署へ確認してください。

出典