退職後に受け取れる条件の比較表(協会けんぽの案内)
退職して健康保険の被保険者の資格を失ったあとも、協会けんぽは出産育児一時金と埋葬料・埋葬費について、次の場合に支給を受けられるとしています。
| 項目 | 出産育児一時金 | 埋葬料・埋葬費 |
|---|---|---|
| 退職後も受け取れる条件 | 資格喪失日の前日(退職日等)までの被保険者期間(任意継続の期間を除く)が継続して1年以上あり、資格喪失後6か月以内に出産したこと | 資格喪失後3か月以内に亡くなったとき(資格喪失前の被保険者期間の長さは問わない)。ほかに、資格喪失後の傷病手当金・出産手当金の継続給付を受けている間に亡くなったとき、その継続給付を受けなくなってから3か月以内に亡くなったとき |
| 金額 | 産科医療補償制度に加入している医療機関で22週以降に出産した場合は1児につき50万円。加入機関で22週に達しなかった出産は1児につき48.8万円(2023年4月1日以降の出産)。多胎児は胎児数分 | 生計を維持されていた方が申請: 埋葬料5万円。生計維持関係にない埋葬を行った方が申請(埋葬料を申請できる方がいない場合のみ): 5万円の範囲内で実際に埋葬に要した費用 |
| 申請先 | 加入していた協会けんぽ支部 | 加入していた協会けんぽ支部 |
| 申請書 | 健康保険出産育児一時金支給申請書 | 健康保険埋葬料(費)支給申請書 |
| 支給されない場合 | 被扶養者だったご家族の出産(家族出産育児一時金は支給されない)。同じ出産に対する支給は1回のみで、重複して受け取れない | 被扶養者だったご家族の死亡(家族埋葬料は支給されない)。資格喪失後に加入した健康保険で埋葬料を請求している場合 |
出産育児一時金: 資格喪失後6か月以内の出産
協会けんぽは、資格を失った場合でも次の(1)と(2)に当てはまれば支給を受けられるとしています。
- (1)資格喪失日の前日(退職日等)までに、被保険者期間(任意継続被保険者の期間は除く)が継続して1年以上あること
- (2)資格喪失後6か月以内に出産したこと
資格喪失後6か月以内の出産でも支給されるため、受け取れる保険者が複数になる場合があります。ただし、同じ出産に対する支給は1回のみで、重複して受け取ることはできません。協会けんぽの申請書の一覧には、資格喪失等証明書の交付申請書もあります。どちらの保険者に請求するかは、加入先の窓口で確認してください。
被保険者の資格喪失後に、被扶養者だったご家族が出産した場合は、家族出産育児一時金は支給されません。
埋葬料・埋葬費: 資格喪失後3か月以内などの死亡
被保険者が資格喪失後に亡くなったとき、協会けんぽは次のいずれかに当てはまる場合に埋葬料または埋葬費を支給するとしています。
- (1)被保険者だった方が資格喪失後3か月以内に亡くなったとき(資格喪失前の被保険者期間の長さは問わない)
- (2)資格喪失後の傷病手当金または出産手当金の継続給付を受けている間に亡くなったとき
- (3)(2)の継続給付を受けなくなってから3か月以内に亡くなったとき
資格喪失後に加入した健康保険で埋葬料を請求している場合は、上の条件に当てはまっても支給されません。また、被保険者の資格喪失後に被扶養者だったご家族が亡くなった場合は、家族埋葬料は支給されません。
埋葬料の「生計を維持されていた方」は、被保険者によって生活費の一部でも維持されていればよく、民法上の親族や遺族であることは問われません。実際に埋葬に要した費用とは、霊柩車代、霊柩運搬代、霊前供物代、火葬料、僧侶の謝礼等の実費額です。
関連する継続給付: 出産手当金
出産手当金にも資格喪失後の支給の条件があります。協会けんぽは、資格喪失日の前日(退職日等)までに被保険者期間(任意継続の期間を除く)が継続して1年以上あり、資格喪失日の前日に出産手当金を受けている、もしくは受けられる状態であることを条件としています。休職(有給休暇を含む)のまま退職した場合は資格喪失後も受けられますが、退職日に出勤した場合は受けられません。詳しくは出産・育児で退職したときの失業手当の受給期間延長で説明しています。
退職の前後で確認する順番
- 退職日と資格喪失日(退職日の翌日)を確認する。期限の数え方は退職後の手続き期限の一覧で確かめられます。
- 退職後の健康保険を決める。任意継続・国民健康保険・家族の扶養の違いは退職後の健康保険の選び方で比べられます。
- 出産予定日が資格喪失日から6か月以内なら、被保険者期間が1年以上あるかを加入先で確認する。
- 申請は、加入していた協会けんぽ支部(協会けんぽ以外の健康保険組合などに加入していた場合は、その保険者)へ出す。
よくある質問
退職したあとに出産しても出産育児一時金はもらえますか。
次の2つを両方満たすと、資格を失った健康保険から受け取れます。(1)資格喪失日の前日(退職日等)までの被保険者期間(任意継続被保険者の期間を除く)が継続して1年以上あること、(2)資格喪失後6か月以内に出産したこと。金額は産科医療補償制度に加入している医療機関で22週以降に出産した場合、1児につき50万円です。
退職後に被扶養者だった家族が出産した場合はどうなりますか。
協会けんぽは、被保険者の資格喪失後に被扶養者だったご家族が出産した場合、家族出産育児一時金は支給されないとしています。
退職後に亡くなった場合、埋葬料は支給されますか。
被保険者だった方が資格喪失後3か月以内に亡くなったときは、資格喪失前の被保険者期間の長さを問わず、埋葬料または埋葬費が支給されます。資格喪失後に加入した健康保険で埋葬料を請求している場合は支給されません。
埋葬料はいくら支給されますか。
被保険者により生計を維持されていた方が申請すると埋葬料5万円です。そのような方がいなくて埋葬を行った方が申請する場合は、5万円の範囲内で実際に埋葬に要した費用が埋葬費として支給されます。
出典
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「出産育児一時金」(kyoukaikenpo.or.jp)
- 全国健康保険協会「出産手当金」(kyoukaikenpo.or.jp)
- 全国健康保険協会「埋葬料・埋葬費」(kyoukaikenpo.or.jp)