退職時に残った有給休暇の扱い(買い取り・消化・時効)

退職日をもって有給の権利は消滅します。買い取りの可否、退職日までの消化を会社が断れるか、時効は何年かを、公式資料で確認できた範囲で整理します。

結論:残った有給は原則買い取りを求められず、退職日までに使い切る

年次有給休暇(有給)は、退職日をもって権利が消滅します。退職時に残った日数を会社に買い取ってもらう権利はなく、使い切るなら在職中に取る形になります。退職金とは別の話で、退職金の額や税金の計算には入りません。

買い取りについて公式に確認できること

場面確認できる内容出典
法定の日数の買い上げ原則として年休を買い上げることはできず、法定の年休を買い上げることは違法とされています。和歌山労働局
法定を上回る日数の買い上げ法定を上回る年休の買い上げは、違法とはなりません。会社の規定や合意があるかどうかで決まります。和歌山労働局
退職日以降の権利退職した場合、退職日をもって年休の権利は消滅します。厚生労働省「確かめよう労働条件」

つまり、会社が買い取りに応じる義務はなく、応じるかどうかは会社の規定や判断によります。買い取りを前提に退職日を決めると、受け取れないおそれがあります。

退職日までの消化は拒まれない

退職が予定されている人は、在職中であれば退職時までに有給を取る権利があります。沖縄労働局は、退職期日以降に時季を変更することはできないので、労働者の請求どおり与えなければならない、と説明しています。和歌山労働局も、退職間際の年休の申請を拒むことはできない、としています。

引き継ぎの都合があっても、会社が有給の取得そのものを断ることはできません。日程は早めに相談します。

有給を取った日の賃金

労働基準法第39条は、有給を取った期間について、就業規則などで定めるところにより、平均賃金か通常の賃金などを支払わなければならない、と定めています。退職前に消化した分も、この賃金の対象です。

有給の時効

厚生労働省は、年休の権利は労働基準法第115条にもとづき2年の消滅時効にかかると解されている、と説明しています。退職時に残る日数には、発生から2年以内の分だけが含まれます。

このページで扱わないこと

会社が任意で買い取った場合に、その金額が給与として扱われるか退職金(退職所得)として扱われるかは、国税庁の資料で確認できなかったため、このページでは判断しません。支払者または税務署に確認してください。退職金の税金の計算は手取り計算、退職前後の手続きは手続きチェックリストと退職手続き期限一覧で確認できます。

よくある質問

退職時に残った有給を買い取ってもらえますか。

会社に買い取りの義務はありません。法定の年休の買い上げは原則できないとされています。法定を上回る日数は、会社の規定や合意があれば買い取りが違法にはなりません。

退職日までに有給を使い切りたいと伝えたら、会社は断れますか。

在職中であれば、退職日までに取る権利があります。退職日以降に時季を変えることはできないため、会社は請求どおり与えなければならないと労働局が説明しています。

退職したあとに残った有給は使えますか。

使えません。退職日をもって年休の権利は消滅します。

残った有給の買い取り額は、退職金に入りますか。

このページでは確認できていません。買い取りがあった場合の税の区分は、支払者または税務署に確認してください。

厚生労働省・労働局の公開資料と労働基準法の条文を2026-10-14に確認して作成しています。一般的な説明で、個別の取扱いは会社の就業規則、労働基準監督署または税務署に確認してください。

出典