中退共の退職金(解約手当金)請求書とは

中小企業退職金共済(中退共)に入っている会社の従業員が、退職金や解約手当金を受け取るときに、本人が書いて中退共本部へ送る書類です。1枚の請求書で、退職金と解約手当金のどちらも請求します。このページでは、どんなときに出すか、誰が出すか、必要書類、税の扱いをまとめます。

請求書は退職金共済手帳の3枚目。退職金と解約手当金で共通

中退共の公式ページでは、請求書の名前は「退職金(解約手当金)請求書」です。退職金共済手帳の3枚目にあたります。手帳は勤め先の事業主から受け取ります。

書式が1つなので、「退職金解約手当金請求書」という書類が別にあるわけではありません。退職したときは退職金として、解約のときは解約手当金として、同じ請求書で請求します。請求書の書き方の手引きとして、中退共は「退職金(解約手当金)請求書記入要領」を用意しています。

退職と解約の違い:雇用関係が続いているかどうか

呼び方中退共の説明受け取るもの
退職従業員と事業主の雇用関係が終わること退職金
解約雇用関係が続いているときに、事業主が従業員の同意を得て退職金共済契約を解除すること。掛金の長期未納などで中退共本部が契約を解除する場合も含む解約手当金

つまり、会社を辞めていないのに契約をやめるときが「解約」です。会社を辞めるときは「退職」の手続きで、退職金を請求します。

解約手当金が出る条件:掛金を12か月以上納付していること

中退共は、掛金を12か月以上納付している従業員には解約手当金が支給されるので、事業主は従業員に解約手当金を請求させるよう案内しています。12か月に満たない場合の扱いは、中退共の公式ページのこの部分では説明されていません。該当する場合は中退共本部に確認してください。

事業主が契約を解除できるのは、従業員の同意が得られたとき、または掛金の納付を続けることが難しいと厚生労働大臣が認めたときに限られます。従業員の同意がある場合は、事業主が「退職金共済契約解除通知書(様式10)」を中退共本部契約課へ送ります。同意は、解除通知書の続紙に従業員本人がフルネームで署名するか、同意が確認できる電子メールを印刷して添付する形で示します。

契約の解除は、通知書が中退共本部に届いた日から先に向かってだけ効力が出ます。さかのぼって解除することはできません。

請求するのは従業員本人。支払いも本人に直接

退職金も解約手当金も、従業員本人が中退共本部に請求し、本人に直接支払われます。事業主が代わりに受け取る仕組みではありません。

金額は、どちらも掛金月額と納付月数に応じて計算する点は同じです。ただし、掛金助成を受けた人の解約手当金は、退職金の額から、掛金助成金に当たる額、または解約手当金の額の3割のうち少ないほうを引いた額になります。金額の目安は、制度の仕組みを中退共の退職金の額と分割払いの条件で確認できます。

請求に必要な書類

書類中退共の説明
退職金(解約手当金)請求書退職金共済手帳の3枚目
住民票(マイナンバー入り)発行日から3か月以内の、コピーではないもの
身元確認書類(いずれか1通)運転免許証、パスポート、健康保険資格確認書のコピーなど

振込先の口座の確認も必要です。請求書に金融機関の窓口で口座確認印をもらうか、普通預金通帳のコピーなどを付けます。送り方、封筒の宛名、口座確認の細かい決まりは、退職金の請求と共通です。中退共の退職金を請求する手続きに詳しくまとめています。

請求は郵送のほか、電子申請でもできます。中退共の手続きの一覧には「解約手当金の請求」が電子申請の対象として載っており、電子証明書が必要です。

税の扱い:解約手当金は一時所得。退職金とは別の扱い

受け取るもの税法上の扱い(中退共の説明)
退職金退職手当等とみなされ、勤続年数などで計算した控除額を超える場合は源泉徴収される
解約手当金一時所得。確定申告が必要になる場合がある

解約手当金は、その年にもらったほかの一時所得と合わせて、50万円の特別控除を引いた残りが課税の対象とされます。掛金は全額が事業主の負担なので、差し引く掛金額はありません。

課税される年は、契約を解除した日が属する年です。期限を過ぎているときは、早めに確定申告(修正申告)をするよう、中退共は案内しています。個別の税額や申告の要否は、最寄りの税務署に確認してください。

退職金を一時金で受け取ったときの退職所得の見方は、退職所得の受給に関する申告書や、手取り計算で確認できます。解約手当金は退職所得ではないため、この計算の対象とは別に考えます。小規模企業共済の解約手当金は、受け取り方によって税の区分が違います。小規模企業共済の共済金・解約手当金の税金で比べられます。

よくある質問

退職金(解約手当金)請求書は、どこでもらえますか。

退職金共済手帳の3枚目です。手帳は勤め先の事業主から受け取ります。

解約手当金は誰が請求しますか。

退職金も解約手当金も、従業員本人が中退共本部に請求し、本人に直接支払われます。事業主は、掛金を12か月以上納付した従業員に、解約手当金を請求させるよう中退共が案内しています。

解約手当金は、いつもらえますか。

中退共は退職金について、書類に不備や不足がない場合、請求の受付から1か月から、掛金の納付方法によっては2か月半程度で支払うと案内しています。解約手当金の支払い時期は、請求書の案内で中退共に確認してください。

解約手当金に税金はかかりますか。

税法上は一時所得として扱われ、その年のほかの一時所得と合算し、50万円の特別控除を引いた残りが課税の対象とされます。退職金(退職手当等)とは扱いが違います。

勤労者退職金共済機構(中退共)の公式ページにもとづく一般的な説明です。手続きや書式は変わることがあるため、請求の前に中退共の最新の案内を確認してください。税務上の判断は断定できないため、税務署または税理士に確認してください。

出典