職業訓練中の失業手当の受講手当・通所手当・寄宿手当と訓練延長給付

失業手当を受けている人が、ハローワークの指示で公共職業訓練を受けると、基本手当に加えて受講手当・通所手当・寄宿手当が出ることがあります。基本手当の日数を延ばす訓練延長給付もあります。雇用保険を受けられない人向けの求職者支援制度とは別の仕組みなので、違いも分けて確認します。

訓練中にもらえる手当の一覧(技能習得手当と寄宿手当)

雇用保険法第36条は、受給資格者がハローワーク所長の指示した公共職業訓練等を受けるときに、技能習得手当と寄宿手当を支給すると定めています。技能習得手当は、施行規則第56条で受講手当と通所手当の2種類です。基本手当とは別に支給され、額は施行規則で決まっています。

手当額支給の条件条文
受講手当日額500円、40日分まで指示された公共職業訓練等を受けた日で、基本手当の支給の対象となる日施行規則第57条
通所手当月額の上限は42,500円。交通機関の運賃等、または自動車等の使用距離に応じた定額(片道10km未満は3,690円、それ以上は5,850円など)通所に交通機関や有料道路、自動車等を使うことが常例の人(徒歩で片道2km未満の人などは対象外)施行規則第59条
寄宿手当月額10,700円訓練を受けるために、生計を維持している同居の親族と別居して寄宿している期間雇用保険法第36条第2項、施行規則第60条

通所手当は、使う交通手段で計算が分かれます。交通機関を使う人は、通用期間1か月の定期乗車券の価額(定期がなければ通所21回分の運賃)にあたる額、自動車等だけを使う人は距離に応じた定額です。自動車等の使用距離が片道15km以上で、厚生労働大臣の定める地域に住む人には8,010円の区分もあります。両方を使う人は、条件により2つの額の合計になります。

手当が支給されない期間と減額

雇用保険法第36条第3項は、給付制限(第32条第1項・第2項、第33条第1項)で基本手当が支給されない期間には、技能習得手当と寄宿手当を支給しないと定めています。また施行規則第59条第5項と第60条第2項により、通所手当と寄宿手当の月額は、次のような日がある月に、その日数の割合で減額されます。

手当の受け取り手続き

施行規則第61条によると、技能習得手当と寄宿手当は、基本手当の支給日にその月の前月末日までの分がまとめて支給されます。受け取るときは、受給資格者証(受給資格通知の交付を受けた場合は個人番号カードの提示)を添えて、受講証明書を管轄のハローワークへ提出します。訓練の指示の要否や提出書類は、ハローワークの窓口で確認してください。

訓練延長給付(基本手当の給付日数を延ばす仕組み)

雇用保険法第24条第1項は、受給資格者がハローワーク所長の指示した公共職業訓練等を受けるときは、その受講期間(待機している期間を含む)内の失業している日について、所定給付日数を超えて基本手当を支給できると定めています。訓練が終わる日まで受給期間も延びます(同条第3項)。

第2項は、訓練を受け終わる日の基本手当の支給残日数が政令で定める日数に満たず、政令の基準に照らして訓練後もなお就職が相当程度に困難と認められる人に、受給期間を延ばして基本手当を支給できると定めています。対象となる訓練の期間の上限や日数などは政令で決まるため、このページでは数値を確認していません。ハローワークの窓口で確認してください。

求職者支援制度との違い

項目公共職業訓練(受給資格者向け)求職者支援制度
対象雇用保険の基本手当を受ける受給資格者雇用保険を受けられない人
訓練中の生活費基本手当に加えて、受講手当・通所手当・寄宿手当職業訓練受講給付金(要件あり)
給付日数訓練延長給付で基本手当を延ばせる基本手当の延長ではなく、別の給付金

求職者支援制度の詳細は求職者支援制度の職業訓練受講給付金で整理しています。訓練に関わる別の給付は教育訓練給付金、基本手当そのものの日額や日数は失業手当はいつ・いくらのページで確認できます。訓練先が遠方で転居が必要なときの移転費も、条件を満たせば別に支給されます。

退職せずに休暇を取って学ぶ場合の給付は教育訓練休暇給付金で整理しています。

雇用保険法(昭和49年法律第116号)と雇用保険法施行規則(昭和50年労働省令第3号)の条文にもとづく一般的な説明です。訓練の指示、手当の支給可否、金額、必要書類は管轄のハローワークが判断します。金額は条文の確認日時点のもので、改定されることがあります。確認日: 2026-10-15。

よくある質問

職業訓練を受けている間、失業手当のほかに手当はもらえますか。

ハローワーク所長の指示した公共職業訓練等を受ける受給資格者には、条件を満たせば受講手当(日額500円、40日分まで)、通所手当(月額の上限42,500円)、寄宿手当(月額10,700円)が支給されます(雇用保険法第36条、施行規則第57条・第59条・第60条)。

受講手当は何日分まで出ますか。

施行規則第57条は、公共職業訓練等を受けた日で基本手当の支給の対象となる日について、40日分を限度とし、日額を500円と定めています。

訓練延長給付とは何ですか。

受給資格者が指示された公共職業訓練等を受けるとき、受講期間内の失業している日について、所定給付日数を超えて基本手当を支給できる制度です(雇用保険法第24条第1項)。対象の訓練や延長の日数は政令などで決まるため、ハローワークで確認してください。

求職者支援制度の給付金とは何が違いますか。

求職者支援制度は雇用保険を受けられない人が対象で、訓練中は職業訓練受講給付金が支給されます。公共職業訓練の受給資格者は、基本手当に受講手当などが加わる仕組みで、対象者と給付の種類が異なります。

出典