教育訓練休暇給付金とは
厚生労働省の説明では、労働者が離職せずに教育訓練に専念するため、自発的に休暇を取って仕事から離れる場合に、その間の生活費を保障する制度です。失業給付(基本手当)に相当する給付として、賃金の一定割合が支給されます(確認日2026-10-15)。創設は2025年(令和7年)10月1日です。
退職して講座を受ける場合の教育訓練給付金とは別の制度で、こちらは在職のまま休暇を取る人が対象です。
対象になる人の条件
厚生労働省のパンフレット「教育訓練休暇給付金のご案内」では、次の2つを両方満たすことが必要とされています。
- 休暇開始前2年間に、12か月以上の被保険者期間があること
- 休暇開始前に、5年以上雇用保険に加入していた期間があること(離職期間が12か月以内なら離職前後を通算できる。ただし離職期間に失業給付等を受けていた場合は通算できない)
対象は雇用保険の一般被保険者です。高年齢被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者は対象外です。
対象になる休暇
パンフレットでは、次の全部を満たす休暇が対象です。
- 就業規則や労働協約等に規定された休暇制度に基づく休暇であること
- 本人が自発的に希望し、事業主の承認を得て取る、30日以上の無給の休暇であること
- 学校教育法に基づく大学・大学院・短大・高専・専修学校・各種学校の教育訓練、教育訓練給付金の指定講座を持つ法人等の教育訓練、職業安定局長が定める教育訓練(司法修習、語学留学、海外大学院での修士号の取得など)を受けるための休暇であること
業務命令で受講する場合は支給されません。収入を伴う就労をした日や、有給休暇・育児休業など別の休暇を取った日も、その日の分は支給されません。会社に教育訓練のための休暇制度がなければ、この給付は使えません。
給付日数・給付日額・受給期間
| 雇用保険の加入期間 | 所定給付日数 |
|---|---|
| 5年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
給付日額は、休暇開始日の前日を離職日とみなして、失業給付と同じ方法で算定します。休暇開始前6か月の賃金日額と年齢で変わります。パンフレットが示す給付月額の目安(日額に30日を掛けた便宜的な額)は次のとおりで、実際の額は賃金の支払状況、年齢、休暇の認定状況で異なります。
| 額面月収 | 給付月額の目安 |
|---|---|
| 25万円 | 約17万円 |
| 35万円 | 約19.5万円 |
| 45万円 | 約22.5万円 |
給付を受けられる期間(受給期間)は休暇開始日から1年間です。1年を超えて休暇を取る場合、日数が残っていても受給期間を過ぎた分は支給されません。厚生労働省のページには、年齢と額面月収から支給額を試算できる「教育訓練休暇給付金シミュレーター」も載っています。
申請の流れと窓口
- 就業規則等に教育訓練休暇の制度があることを確認し、事業主と休暇の取得に合意する
- 本人が事業主へ教育訓練休暇取得確認票を提出する
- 休暇の開始後、事業主が賃金月額証明書などをハローワークへ提出する
- ハローワークが交付した支給申請書などを、事業主が本人へ渡す
- 本人が必要事項を書いてハローワークへ提出し、受給資格の決定を受ける
- その後は休暇開始日から30日が経つごとに、認定申告書をハローワークへ提出し、審査を受けて支給される
事業主が手続きをする書類は事業所を管轄するハローワーク、本人が手続きをする書類は住居所を管轄するハローワークが窓口です。利用を考えたときは、休暇を始める前に、会社の担当部署とハローワークの両方へ相談してください。
受給すると退職後の失業手当に響く点
パンフレットは、教育訓練休暇給付金を受けると、休暇開始日より前の被保険者期間や雇用保険に加入していた期間がリセットされ、通算できなくなると注意しています。その結果、一定期間は失業給付などの雇用保険の給付を原則受けられません。育児休業等給付・介護休業給付のみなし被保険者期間と、教育訓練給付金の支給要件期間には影響しません。
休暇のあとに退職を考えている場合は、この点が失業手当の受給資格に関わります。失業手当の仕組みは失業手当はいつ・いくら、退職の理由による違いは退職理由別の比較で確認できます。休暇の後すぐ退職した場合の取扱いなどの個別の事情は、ハローワークへ確認してください。
退職金の手取りは手取り計算、退職後の手続き期限は退職後の手続き期限の一覧で確認できます。
よくある質問
教育訓練休暇給付金とは何ですか。
厚生労働省の説明では、労働者が離職せずに教育訓練に専念するため、自発的に休暇を取って仕事から離れる場合に、その間の生活費を保障する給付です。失業給付(基本手当)に相当する給付として賃金の一定割合が支給されます。2025年(令和7年)10月1日に創設されました。
誰が対象になりますか。
雇用保険の一般被保険者で、休暇開始前2年間に12か月以上の被保険者期間があり、休暇開始前に5年以上雇用保険に加入していた人です。高年齢被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者は対象外です。就業規則等に基づき、事業主の承認を得た連続30日以上の無給の休暇を取ることも必要です。
何日分、いくら受け取れますか。
給付日数は雇用保険の加入期間に応じて、5年以上10年未満は90日、10年以上20年未満は120日、20年以上は150日です。給付日額は休暇開始前6か月の賃金日額と年齢に応じて、失業給付と同じ方法で算定されます。パンフレットの目安では、額面月収25万円で給付月額は約17万円、35万円で約19.5万円、45万円で約22.5万円です。
どこに申請しますか。
事業主が手続きをする書類は事業所を管轄するハローワーク、労働者本人が手続きをする書類は住居所を管轄するハローワークです。休暇開始後に事業主経由で申請書が交付され、その後は休暇開始日から30日が経つごとに認定申告書を提出します。
受給すると、退職後の失業手当に影響しますか。
影響します。厚生労働省のパンフレットは、教育訓練休暇給付金を受けると休暇開始日より前の被保険者期間や雇用保険の加入期間がリセットされ、一定期間は失業給付などを原則受けられなくなると注意しています。教育訓練給付金の支給要件期間には影響しません。
出典
- 厚生労働省「教育訓練休暇給付金」(mhlw.go.jp)
- 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「教育訓練休暇給付金のご案内」(mhlw.go.jp)
- 厚生労働省 職業安定分科会雇用保険部会(第203回)資料3「教育訓練休暇給付金について」(創設時期の確認。mhlw.go.jp)