退職後に住民税を払えないとき(徴収猶予・換価猶予・減免)の制度と相談先

退職して収入が減り、住民税を期限までに払えないときに使える、地方税法の猶予と減免の制度を、条文にもとづいて整理します。

結論: 相談先は市区町村の税の窓口、使える制度は猶予2種類と減免

住民税(市町村民税)を一括で払えないときのために、地方税法には、徴収の猶予、換価の猶予、減免の3つの制度があります。いずれも、地方団体の長(住民税なら市町村長)の判断で行われ、細かい手続きや期間は市区町村の条例で決まります。条文には「退職」「失業」という言葉は出てこないため、退職後の事情が当てはまるかどうかは、市区町村が判断します。

制度条文内容
徴収の猶予第15条災害、病気やけが、事業の廃止・休止などで、一時に納付できないと認められるとき、申請により1年以内、納付できない金額を限度に徴収を猶予する。条例で、猶予する金額を分割して納付させることもできる
換価の猶予第15条の5・第15条の6滞納してしまった場合に、財産の差押えによる換価(売却して税に充てること)を1年以内の期間で猶予する。職権による猶予と、申請による猶予がある
市町村民税の減免第323条天災その他特別の事情がある人、貧困により生活のため公私の扶助を受ける人、その他特別の事情がある人に限り、条例の定めるところにより減免する

徴収の猶予(第15条)

納税者が、次のいずれかの事実に基づいて、住民税を一時に納付できないと認められるとき、その人の申請により、納付できない金額を限度として、1年以内の期間で徴収を猶予できます。

猶予した期間内に納付できないやむを得ない理由があるときは、申請により期間を延長できますが、すでに猶予した期間と合わせて2年を超えることはできません。猶予をする場合、市区町村の条例で、猶予する金額を、財産の状況などから見て合理的で妥当な額に分割して納めさせることができます。申請には、事情を書いた申請書のほか、財産目録、担保の提供に関する書類など、条例で定める書類を添えます(第15条の2)。

換価の猶予(第15条の5・第15条の6)

納期限を過ぎて滞納になった場合でも、納付について誠実な意思があると認められ、次のような事情があるときは、滞納処分による財産の換価(差押えた財産の売却など)を猶予できます。猶予の期間は1年以内です。

申請による猶予は、申請できる期間が市区町村の条例で決まっています。納期限を過ぎそうなとき、または過ぎたときは、早めに窓口へ連絡してください。

市町村民税の減免(第323条)

市町村長は、天災その他特別の事情がある場合に減免が必要と認める人、貧困により生活のため公私の扶助を受ける人、その他特別の事情がある人に限り、市区町村の条例の定めるところにより、市町村民税を減免できます。どのような場合に、どの程度減免するかは、条例で決まっているため、市区町村ごとに違います。

相談先と、窓口で聞くこと

住民税の窓口は、住民票のある市区町村の税務担当の部署です。窓口では、次の点を聞いておくと進めやすくなります。

このページで扱わないこと

延滞金の扱い、国民健康保険料や所得税など住民税以外の猶予、自治体ごとの減免基準の数字、自分が猶予や減免を受けられるかどうかの最終判断は扱いません。条文に定められた範囲を整理したもので、運用は市区町村ごとに違います。

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よくある質問

住民税を払えないときは、どうすればよいですか。

住民票のある市区町村の税務担当の窓口へ相談します。地方税法には、徴収の猶予、換価の猶予、減免の制度があり、手続きと期間は市区町村の条例で決まっています。

住民税の徴収の猶予は、何年まで認められますか。

申請により1年以内の期間で猶予できます。やむを得ない理由があるときは申請により延長できますが、すでに猶予した期間と合わせて2年を超えることはできません。

住民税の猶予や減免は、退職しただけで認められますか。

条文には「退職」「失業」という言葉は出てきません。病気やけが、事業の廃止、これらに類する事実、または特別の事情があるかどうかを、市区町村が判断します。

住民税を分割で納めることはできますか。

徴収の猶予をする場合、条例で定めるところにより、猶予する金額を、財産の状況などから見て合理的で妥当な額に分割して納めさせることができます。

滞納してしまった後でも、相談できますか。

滞納後も、換価の猶予の制度があります。申請による換価の猶予は、納期限から市区町村の条例で定める期間内に申請します。

地方税法(昭和25年法律第226号)第15条、第15条の2、第15条の5、第15条の6、第323条にもとづく一般的な説明です(e-Gov法令検索・確認日: 2026-10-17)。猶予や減免の可否は市区町村が決めるため、住んでいる市区町村の窓口へ確認してください。

出典