退職月の最後の給与(日割り・支払日・引かれる保険料と住民税)

最後の給与の日割りは会社の賃金規程で決まります。支払日、退職後の請求期限、給与から引かれる社会保険料と住民税を、労働基準法・日本年金機構・東京都主税局の案内で確認します。

結論:日割りの方法は会社の規程で決まり、退職後は請求から7日以内に支払われる

労働基準法の条文を e-Gov法令検索で調べると(確認日 2026-10-17)、「日割」「月給」という語を含む条はありません。退職月の給与を日割りにするか、どの日数で割るかを定めた規定は見当たらず、賃金の決定・計算・支払の方法は就業規則に書く事項とされています(第89条第2号)。具体的な計算方法は、会社の賃金規程で確認します。

ここで扱うのは月々の給与の受け取り方です。退職金の支払時期は退職金の支払時期と時効で確認できます。

日割り計算:法律に計算式はない

退職日が月の途中のとき、その月の給与の計算式は法律で決まっていません。暦の日数で割る方法や、その月の所定労働日数で割る方法など、会社の規程によって結果が変わりうるため、退職日が決まったら給与担当に計算方法と支払日を確認します。就業規則の記載事項は退職手当の労働条件の明示と就業規則の記載事項で確認できます。

このページでは、計算式の優劣や、特定の方法が正しいかどうかは断定しません。会社の規程と給与明細の内訳を照らして確かめてください。

方式別の計算例(架空の月給、手当や控除は含めない)

次の2ケースは、月給が日給の積み上げではなく月額で決まる会社を想定した計算の例です。土日と祝日が休みで、退職日まで在籍した日数ぶんを支払う前提で、円未満は四捨五入しています。実際の方式と端数処理は会社の規程で決まります。

ケース月給÷暦日数月給÷所定労働日数差額
月給30万円・2026年11月15日退職(暦日30日、所定労働日19日のうち退職日までは9日)300,000円×15日÷30日=150,000円300,000円×9日÷19日=142,105円7,895円
月給24万円・2026年10月20日退職(暦日31日、所定労働日21日のうち退職日までは13日)240,000円×20日÷31日=154,839円240,000円×13日÷21日=148,571円6,268円

所定労働日数は、土日と祝日(11月は3日と23日、10月は12日)を除いた平日の数です。会社のカレンダーで休日が違えば日数も変わります。このように、同じ月給でも方式で数千円の差が出ることがあります。自分の最後の給与は、月給と退職日の日数を上の式に当てはめて見積もり、給与担当に確認した方式の金額と照らしてください。

支払日と、退職後の請求(第23条)

場面決まり根拠
在職中の支払い通貨で、直接、全額を、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払う労働基準法第24条
退職した後の請求権利者の請求があれば、7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還する労働基準法第23条第1項
金額に争いがある場合使用者は、異議のない部分を同じ7日以内の期間中に支払う労働基準法第23条第2項

第23条は、退職した人が請求したときの期限を定めたものです。請求しなければ、通常の給料日に支払われるのが一般的な流れになります。通常の給料日がまだ先でも、退職後に請求すれば7日以内の支払いを求められる点が、第24条の「一定の期日払い」とは異なります。なお、厚生労働省の労働条件Q&Aでは、第23条による賃金の請求を含む賃金請求権の消滅時効は賃金支払期日から5年で、当分の間は3年とされています。

支払いがない場合の相談先や、退職金そのものの請求は、退職金が未払いのときの手続きや未払い賃金の立替払いで確認できます。

最後の給与から引かれる社会保険料

日本年金機構の「退職した従業員の保険料の徴収」(確認日 2026-10-17)では、従業員が負担する保険料は、資格を取得した月から、資格を喪失した日(退職日の翌日)の属する月の前月まで発生します。退職月の給与からの控除は次のとおりです。

退職日退職月の給与から控除できる保険料
月の途中退職月の前月分
月末退職月の前月分と退職月分の2か月分

月末退職で手取りが少なく見えるのは、2か月分が一度に引かれるためです。ただし、給与の締日と支払日によって、控除される月は前後する場合があります。保険料の額は標準報酬月額と加入先の料率で決まるため、金額はここでは示しません。月末退職と月中退職の違いは退職日の選び方と社会保険料・住民税で、金額の目安も含めて確認できます。

最後の給与から保険料を差し引けるのは、法令に別段の定めがあるためです(第24条第1項ただし書)。年金機構の案内は「控除することができます」という書き方で、実際に差し引く額と月は会社の給与計算で決まります。

最後の給与から引かれる住民税

東京都主税局の「特別徴収にかかる手続きについて」(確認日 2026-10-17)では、退職の時期で残りの住民税の扱いが次のように分かれます。

退職の時期最後の給与での扱い
6月1日から12月31日残りは普通徴収に切り替わる。本人の申し出があれば、給与や退職金等から一括して特別徴収する
翌年1月1日から4月30日本人の申し出がなくても、5月31日までに支給される給与や退職金等から一括して特別徴収する(死亡退職や、一括徴収すべき額が退職手当等を超える場合は例外)
5月最終月分として特別徴収により納入する

1月から4月に退職すると、最後の給与から残りの住民税がまとめて引かれ、手取りが大きく減ることがあります。仕組みと具体例は退職日の選び方と社会保険料・住民税の住民税の節に、退職金にかかる住民税は退職金と住民税にあります。お住まいの区市町村で様式や名称が異なる場合があるため、通知書を確認してください。

退職後に住民税の納付が苦しいときの猶予・減免の制度は退職後に住民税を払えないとき(徴収猶予・換価猶予・減免)の制度と相談先で確認できます。

最後の給与と一緒に受け取る書類

最後の給与のあとは、源泉徴収票や離職票などの書類が必要になります。受け取り時期は会社によって異なります。書類ごとの確認先と期限は退職後の手続き期限の一覧と退職前後の手続きチェックリスト、源泉徴収票は退職時の源泉徴収票で確認できます。

よくある質問

退職月の給与は日割りで計算しなければなりませんか。

労働基準法の条文に「日割」「月給」という語を含む条はなく(e-Gov法令検索で確認)、日割りの計算方法を定める規定は見当たりません。賃金の決定・計算・支払の方法は就業規則(賃金規程)に定める事項とされているため(第89条第2号)、退職月の給与を日割りにするか、どの日数で割るかは会社の賃金規程で確認します。

最後の給与はいつ支払われますか。

賃金は毎月1回以上、一定の期日を定めて支払うものとされています(労働基準法第24条第2項)。在職中の通常の給料日に支払われるのが基本で、具体的な日は賃金規程で決まっています。

退職後に給与の支払いを請求できますか。

労働者が退職した場合、権利者の請求があれば、使用者は7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければなりません(労働基準法第23条第1項)。賃金に争いがある場合も、使用者は異議のない部分を同じ期間中に支払う必要があります(同条第2項)。

最後の給与から社会保険料はいくら引かれますか。

日本年金機構の案内では、月の途中で退職した場合は退職月の前月分の保険料を退職月の給与から控除し、月末に退職した場合は退職月の前月と退職月の2か月分を控除することができます。金額は標準報酬月額と加入先の保険料率で決まります。

最後の給与から住民税はどう引かれますか。

東京都主税局の案内では、6月1日から12月31日までの退職は残りの税額が普通徴収に切り替わり、本人の申し出があれば給与や退職金等から一括して特別徴収します。翌年1月1日から4月30日までの退職は、申し出がなくても5月31日までに支給される給与や退職金等から一括して特別徴収します。

e-Gov法令検索「労働基準法」第23条・第24条・第89条、日本年金機構「退職した従業員の保険料の徴収」、東京都主税局「特別徴収にかかる手続きについて」、厚生労働省「労働条件Q&A(賃金請求権の消滅時効)」の内容を2026-10-17に確認して作成しています。一般的な制度の説明で、個別の判断ではありません。実際の計算方法・支払日・控除額は、勤務先の賃金規程と給与担当、加入先の保険者、お住まいの区市町村に確認してください。

出典