結論: 令和2年の調査では、鹿児島県が長野県より8.4ポイント高い
- 全体: 退職金制度がある事業所は、長野県75.1%、鹿児島県83.5%でした。
- 規模別: どちらの県も、規模が大きいほど割合が高くなります。300人以上は長野県97.2%、鹿児島県96.0%で、ほぼ同じです。差が出ているのは小さい規模で、5〜9人は長野県65.4%、鹿児島県60.3%、10〜29人は77.0%と66.7%です。
- 見方: 2つの県の差には、調査の方法の違い(規模の区分、回答した事業所の顔ぶれ)も含まれます。地域の差と言い切れる数字ではなく、自分の会社の規模に近い行を見る目安として使ってください。
2つの調査の条件
| 項目 | 長野県 | 鹿児島県 |
|---|---|---|
| 調査名 | 令和2年長野県雇用環境等実態調査 | 令和2年度労働条件実態調査 |
| 対象 | 常用労働者5人以上の民営事業所 | 常用労働者5人以上の民営事業所 |
| 調査時点 | 令和2年4月1日 | 令和2年9月30日 |
| 抽出と回答 | 4,000事業所を抽出し、1,636事業所が回答(回収率40.9%) | 1,000事業所を抽出し、有効回答599事業所(59.9%)。退職金の表の集計は595事業所 |
| 規模の区分 | 事業所の規模(その事業所の人数) | 企業の規模(企業全体の常用労働者数) |
規模の区分が違うため、同じ「100〜299人」でも指しているものが少し異なります。たとえば大企業の小さな支店は、長野県の表では小さい規模に入り、鹿児島県の表では300人以上に入ります。
規模別の割合(制度がある事業所)
| 規模 | 長野県(事業所規模) | 鹿児島県(企業規模) |
|---|---|---|
| 全体 | 75.1% | 83.5% |
| 5〜9人 | 65.4% | 60.3% |
| 10〜29人 | 77.0% | 66.7% |
| 30〜49人 | 80.4% | ― |
| 50〜99人 | 88.4% | ― |
| 30〜99人 | ― | 84.7% |
| 100〜299人 | 92.0% | 92.1% |
| 300人以上 | 97.2% | 96.0% |
鹿児島県は30〜99人を1つの区分で公表し、長野県は30〜49人と50〜99人に分けて公表しているため、この行は並べていません。「―」は、その県が同じ区分で公表していないことを表します。
業種別の割合(制度がある事業所)
| 業種 | 長野県 | 鹿児島県 |
|---|---|---|
| 建設業 | 83.8% | 89.6% |
| 製造業 | 81.0% | 89.7% |
| 情報通信業 | 85.0% | 65.2% |
| 宿泊業,飲食サービス業 | 48.0% | 73.8% |
| 生活関連サービス業,娯楽業 | 64.4% | 65.5% |
| 教育,学習支援業 | 76.9% | 92.0% |
| 医療,福祉 | 80.0% | 86.1% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 71.9% | 82.1% |
長野県で最も低いのは宿泊業,飲食サービス業の48.0%、最も高いのは学術研究,専門・技術サービス業の90.9%です。鹿児島県の宿泊業,飲食サービス業は73.8%で、この業種の差が最も大きく出ています。鹿児島県の情報通信業は集計23事業所のうち15事業所(65.2%)と数が少なく、割合が大きくぶれやすい点に注意してください。
数字を見るときの注意
- 割合は、働く人ではなく事業所の数に対するものです。
- どちらも標本調査(一部の事業所への郵送調査)で、回答した事業所の顔ぶれで数字が動きます。業種別は事業所数が少ない行ほど、ぶれが大きくなります。
- 2県だけの比較で、他の県や全国の傾向を表すものではありません。
- 全国の調査は退職金制度がある企業の割合と種類にあります。こちらは常用労働者30人以上の民営法人が対象の令和5年調査(制度がある企業74.9%)で、5人以上を対象にした県の調査とは対象が違うため、数字を並べて比べないでください。
- 他県の調査(たとえば秋田県の令和3年度は81.9%)は、調査年や規模の区分が異なるため、この表には入れていません。
計算例: 県の数字どうしの差と、全国の数字との差の読み方
差は「ポイント」で引き算します。割合どうしの差を「何%多い」と言い換えないでください。上の表の数字で、読み方の違いを確かめます。
- 全体どうし: 83.5%(鹿児島県)−75.1%(長野県)=8.4ポイント。ただし全体の割合には規模ごとの事業所数の構成の違いも含まれるため、地域の差とは言い切れません。
- 規模をそろえる: 10〜29人では、77.0%(長野県)−66.7%(鹿児島県)=10.3ポイントで、全体とは向きが逆になります。全体で鹿児島県が高いのは、規模の区分の違いなど別の要因が混ざっているためと考えられます。
- 全国の数字との差: 全国の制度がある企業74.9%(令和5年・常用労働者30人以上の民営法人)と長野県の75.1%の差は0.2ポイントですが、対象(企業か事業所か、30人以上か5人以上か)と調査年(令和5年か令和2年か)が違うため、この0.2ポイントは差として読みません。
自分の県の数字を読むときは、(1) 調査年、(2) 数えているのが企業か事業所か、(3) 対象の従業員数の下限、の3点が同じ数字どうしだけを引き算してください。
自分の条件で確認する
自分の会社の規模や業種で、退職金がいくらになるかは相場を見る、規模別の金額の違いは企業規模別の退職金を比較で確認できます。受け取る退職金の手取りは手取り計算で確かめられます。自社に制度があるかどうかは、就業規則や退職金規程、人事担当で確認してください。
よくある質問
県の調査の「退職金制度がある事業所の割合」は、何を数えた割合ですか。
働く人ではなく事業所の数に対する割合です。長野県は令和2年4月1日時点、鹿児島県は令和2年9月30日時点の、常用労働者5人以上の民営事業所が対象で、どちらも一部の事業所への郵送による標本調査です。
長野県と鹿児島県の数字を、そのまま比べてよいですか。
全体の割合は並べて見られますが、地域の差と言い切れる数字ではありません。規模の区分が長野県は事業所の規模、鹿児島県は企業全体の規模で、調査時点や回答した事業所の顔ぶれも違います。大企業の小さな支店は、長野県の表では小さい規模、鹿児島県の表では300人以上に入ります。
自分の会社の規模だと、制度がある割合はどのくらいですか。
たとえば従業員20人の事業所なら、長野県の10〜29人の行(77.0%)、鹿児島県の企業規模10〜29人の行(66.7%)が目安です。どちらの県も規模が大きいほど割合が高く、300人以上では長野県97.2%、鹿児島県96.0%です。自分の規模の行を、県の全体の割合(長野県75.1%、鹿児島県83.5%)と見比べて、上か下かを確かめます。
自分の会社に退職金制度がない場合は、どう考えればよいですか。
県の調査では、5〜9人の事業所でも長野県65.4%、鹿児島県60.3%に制度があり、制度がない事業所も一定数あります。自分の会社に制度があるかどうかは割合では分からないため、就業規則や退職金規程、人事担当で確認してください。
全国の調査の割合と並べてよいですか。
並べないでください。全国の調査は常用労働者30人以上の民営法人が対象の令和5年調査(制度がある企業74.9%)で、5人以上を対象にした県の調査とは対象が違います。全国の数字は退職金制度がある企業の割合と種類にあります。
出典
- 長野県「令和2年雇用環境等実態調査結果報告書」第1章(調査の概要)、事業所調査 7 退職金制度 表(pref.nagano.lg.jp)。確認日2026-10-17
- 長野県労働雇用課 令和2年雇用環境等実態調査の解説資料 IV 退職金(pref.nagano.lg.jp)。確認日2026-10-17
- 鹿児島県「令和2年度労働条件実態調査報告書(詳細版)」10 退職金制度 表10-1(pref.kagoshima.jp)。確認日2026-10-17
- 秋田県「労働条件等実態調査(令和3年度)」第35表(ckan.pref.akita.lg.jp)。確認日2026-10-17