企業規模別の退職金を比較(東京都・厚生労働省・中央労働委員会、大学卒)

東京都の中小企業(10〜299人)、厚生労働省の企業規模5区分、中央労働委員会の1,000人以上の3つの統計を、大学卒と勤続年数をそろえて並べました。調査の対象と金額の意味の違いも表にしています。業種別の比較は業種別の退職金を一覧で比較のページにあります。

結論: 大学卒の定年は、10〜299人で1,149.5万円、1,000人以上で2,558.8万円

調査産業計・大学卒・会社都合の定年で見ると、東京都(都内10〜299人)は1,149.5万円、中央労働委員会(1,000人以上)は2,558.8万円です。厚生労働省の表では、一時金制度のみの大学・大学院卒で勤続20年以上の平均が、1,000人以上は2,007万円、30〜99人は1,162万円でした。3つの統計は対象者と金額の意味が異なるため、同じ物差しの差ではありません。

東京都と中央労働委員会: 勤続年数と退職理由をそろえた比較(調査産業計・大学卒)

勤続年数退職理由東京都(都内10〜299人)中央労働委員会(1,000人以上)
勤続20年自己都合346.8万円766.4万円
勤続20年会社都合408.1万円952.3万円
勤続30年自己都合750.7万円1,811.0万円
勤続30年会社都合776.2万円2,009.9万円
定年自己都合該当なし該当なし
定年会社都合1,149.5万円2,558.8万円

自己都合の定年は、定義上存在しないため「該当なし」です。東京都は「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」、中央労働委員会は「令和7年賃金事情等総合調査」の退職金、年金及び定年制事情調査で、中央労働委員会の表は退職一時金制度を採用する企業の総合職相当のモデル退職金です。令和5年調査では定年(会社都合)が2,858.4万円でしたが、令和7年調査は集計企業が同一ではないため、減少を企業の退職金水準の低下とは読めません。

厚生労働省: 企業規模5区分別の定年退職者の平均退職給付額(大学・大学院卒、一時金制度のみ)

勤続年数企業規模計1,000人以上300〜999人100〜299人30〜99人
勤続20年以上(計)1,623万円2,007万円1,618万円1,295万円1,162万円
20〜24年892万円1,468万円909万円897万円494万円
25〜29年1,378万円2,223万円1,521万円1,020万円908万円
30〜34年1,642万円2,071万円1,506万円1,405万円869万円
35年以上1,822万円2,018万円1,704万円1,547万円1,791万円

厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」第38表のうち、管理・事務・技術職で退職一時金制度のみの値です。勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者の1人平均退職給付額で、個々の区分は回答数が少なく、35年以上では30〜99人の1,791万円が100〜299人の1,547万円より高いなど、規模の順に並ばない区分があります。退職年金制度のみ・両制度併用の値は相場を見るの全国タブで選べます。

企業規模別の金額をグラフで見る

注意: パネルAは勤続年数ごとのモデル退職金、パネルBは定年退職者の実績の平均額で、調査の対象も金額の意味も違います。2つのパネルの棒の長さは同じ物差しではなく、AとBの差を企業規模の差として読むことはできません。

パネルA: 東京都(都内10〜299人)と中央労働委員会(1,000人以上)のモデル退職金(大学卒・会社都合) 勤続20年 東京都 408.1万円 勤続20年 中央労働委員会 952.3万円 勤続30年 東京都 776.2万円 勤続30年 中央労働委員会 2,009.9万円 定年 東京都 1,149.5万円 定年 中央労働委員会 2,558.8万円
パネルA: 東京都(都内10〜299人)と中央労働委員会(1,000人以上)のモデル退職金(大学卒・会社都合)。同じ勤続年数で、中央労働委員会の額は東京都の約2.3倍から2.6倍です。モデル退職金どうしの比較です。
パネルB: 厚生労働省の定年退職者1人平均の退職給付額(大学・大学院卒、一時金制度のみ、勤続20年以上) 企業規模計 1,623万円 1,000人以上 2,007万円 300〜999人 1,618万円 100〜299人 1,295万円 30〜99人 1,162万円
パネルB: 厚生労働省の定年退職者1人平均の退職給付額(大学・大学院卒、一時金制度のみ、勤続20年以上)。規模が大きいほど高い傾向ですが、区分によっては順に並びません。

3つの統計の違い

項目東京都厚生労働省中央労働委員会
対象の企業都内・従業員10〜299人全国・企業規模30人以上(5区分)全国・労働者1,000人以上(独自選定企業のうち退職一時金制度採用)
金額の意味勤続年数ごとのモデル退職金定年退職者1人の平均退職給付額勤続年数ごとのモデル退職金(総合職相当)
退職理由自己都合・会社都合を別に掲載定年退職者のみ自己都合・会社都合を別に掲載
調査の年令和6年版令和5年調査令和7年調査

計算例: 同じ勤続年数・退職理由で、規模による税引後の手取りの差(東京都と中央労働委員会)

上の東京都と中央労働委員会の表のうち、大学卒・調査産業計の3つの条件について、国税庁タックスアンサーNo.1420の式で税金を引いた手取りを試算しました。退職所得控除額は、勤続20年が800万円、勤続30年が1,500万円です。「退職所得の受給に関する申告書」を出した一般の従業員(役員ではない)が、令和8年中に一時金を1回だけ受け取る前提で、所得税・復興特別所得税・住民税(税率10%)を引いています。

条件規模退職金税金の合計手取り
勤続20年・会社都合東京都(10〜299人)408.1万円0円408.1万円
中央労働委員会(1,000人以上)952.3万円11万4,849円約940.8万円
勤続30年・自己都合東京都(10〜299人)750.7万円0円750.7万円
中央労働委員会(1,000人以上)1,811.0万円23万4,882円約1,787.5万円
勤続30年・会社都合東京都(10〜299人)776.2万円0円776.2万円
中央労働委員会(1,000人以上)2,009.9万円41万5,505円約1,968.3万円

東京都の3条件は、退職金が退職所得控除額より小さいため、税金は0円で退職金の全額が手取りです。中央労働委員会の3条件は控除額を超える部分の2分の1に課税され、税金は退職金の1.2〜2.1%でした。このため、規模による税引前の差(たとえば勤続30年・会社都合で1,233.7万円)は、税引後は約1,192.1万円に縮みますが、差のほとんどは残ります。ただし、2つの統計は対象の企業と調査の方法が違うため、この差を会社の規模だけの差と読まないでください。試算は一般的な計算で、個別の税額の判断が分かれる場合は税理士または税務署へ確認してください。実際の金額は、退職金の手取り早見表や手取り計算で、自分の退職金と勤続年数を入れて確認できます。

自分の条件で確認する

業種・学歴を選んで調べるときは業種別・企業規模別の退職金相場(モデル退職金)、会社に退職金制度があるかどうかの割合は退職金制度がある企業の割合と種類、学歴別の定年時の金額は学歴別の定年退職金、東京都の中小企業の業種ごとの金額と手取りの目安は業種別の退職金比較、受け取る退職金の手取りは手取り計算で確認できます。

東京都、厚生労働省、中央労働委員会の公表統計にもとづく一般的な説明です。個別の会社の退職金の額を示すものではありません。実際の金額は勤め先の退職金規程で確認してください。

よくある質問

企業規模が大きいほど退職金は高いですか。

同じ大学卒の定年を見ると、東京都の中小企業(10〜299人)の会社都合は1,149.5万円、中央労働委員会の1,000人以上は2,558.8万円で、後者が高く出ています。厚生労働省の一時金制度のみの表でも、勤続20年以上の平均は1,000人以上が2,007万円、30〜99人が1,162万円です。ただし調査の対象者と金額の意味が違うため、差の大きさをそのまま会社の規模の差とは読めません。

東京都と厚生労働省と中央労働委員会の金額は、そのまま比べてよいですか。

そのまま比べないでください。東京都は都内10〜299人の企業のモデル退職金、厚生労働省は30人以上の企業の定年退職者の実績の平均、中央労働委員会は1,000人以上の企業のモデル退職金です。この表では、学歴(大学卒)と勤続年数だけをそろえ、調査の対象は表の注記に残しています。

自分の会社の規模に近い数字はどれですか。

従業員が10〜299人で都内なら東京都の表、全国で規模別に見るなら厚生労働省の表、1,000人以上なら厚生労働省と中央労働委員会の表が目安になります。退職理由(自己都合・会社都合)で金額が変わるため、自分の退職理由に合う列を見てください。

出典