失業手当の賃金日額の出し方(算入する賃金と計算例)

失業手当(基本手当)の元になる賃金日額について、離職前6か月の賃金に入るもの・入らないものと、月給・日給・時給の計算例を、厚生労働省の資料で整理します。

結論: 離職前6か月の賃金の総額(賞与等を除く)÷180

賃金日額は、失業手当の1日あたりの金額(基本手当日額)を決める元の数字です。雇用保険法第17条第1項では、被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金の総額を180で割った額とされています。ここでいう賃金から、臨時に支払われる賃金と、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金(年2回の賞与など)は除かれます。

手元の離職票-2には、離職前の賃金の額が月ごとに書かれています。その6か月分の合計(賞与等を除く)を180で割る、と考えると全体像をつかめます。賃金日額に給付率を掛けて基本手当日額が決まります(失業手当はいつ・いくらに計算例があります)。

賃金日額に入る賃金・入らない賃金

厚生労働省の「雇用保険に関する業務取扱要領」(令和4年8月版、第5章)は、賃金日額の算定の基礎になる賃金の範囲を次のように整理しています。

区分例根拠となる扱い
入る基本給、毎月の諸手当賃金は、名称を問わず労働の対償として事業主が支払うもの(雇用保険法第4条第4項)
入る残業代(超過勤務手当)基本給と別に支払われる場合でも、実際に超過勤務があった月の賃金として離職証明書に計上する
入る通勤手当賃金と認められるものとして挙げられている。月に対応する手当は、支払いを年3回以内にまとめても算入される
入らない年2回の賞与など3か月を超える期間ごとに支払われる賃金(同じ性質の賃金の支払いが年間を通じて3回以内なら該当)
入らない大入袋・業績手当など、利益があった都度支払われるもの臨時に支払われる賃金
入らない退職金(退職後に一時金・年金で支払われるもの)算入されない。退職を事由に退職前に一時金で支払われる場合も同じ
入らない退職日の翌日以後の分に当たる給与、離職後にさかのぼって決まった昇給の差額算入されない

退職金相当額を在職中の給与に上乗せして支払う「前払い退職金」は、臨時に支払われる賃金などに当たらない限り、原則として算入されます。退職金の仕組みや税金については退職金の用語集も参照してください。

「最後の6か月」は、賃金支払の基礎になった日数が11日以上ある月(被保険者期間として計算される月)を数えて決まります。この数え方の詳細は、被保険者期間の数え方のページで確認できます。

月給・日給・時給の計算例

以下は、計算の流れをつかむための例です。金額は例として決めたもので、実際の賃金日額はハローワークが離職票にもとづいて決めます。

例1 月給者例2 日給者例3 時給者
賃金の内訳(月)基本給27万円、通勤手当1万円、残業手当2万円日給9,000円時給1,200円
離職前6か月の働き方毎月同額。ほかに年2回の賞与あり(算入しない)6か月で120日勤務1日5時間、6か月で120日勤務
6か月の賃金総額30万円×6=180万円9,000円×120日=108万円1,200円×5時間×120日=72万円
原則の式(総額÷180)180万円÷180=10,000円108万円÷180=6,000円72万円÷180=4,000円
最低保障(総額÷働いた日数×70%)対象外(月給者)108万円÷120日×70%=6,300円72万円÷120日×70%=4,200円
賃金日額10,000円6,300円4,200円

日給・時給のように働いた日や時間で賃金が決まる人は、原則の式の額が「6か月の賃金総額÷働いた日数×70%」に満たないとき、後者の額が賃金日額になります(雇用保険法第17条第2項第1号)。例2・例3では、働いた日数が少ない分、原則の式より最低保障の額が大きくなっています。月給と日給が混ざる場合など、このほかの算定方法もあります。

算定した賃金日額には、下限と年齢区分ごとの上限があります(同法第17条第4項)。金額は毎年度見直されるため、最新の額はハローワークで確認してください。

このページで扱わないこと

個別の賃金が算入されるかの判断(手当の名称や支払い方によって変わるもの)と、賃金日額・基本手当日額の確定は、住所地を管轄するハローワークが行います。このページの計算は一般的な説明で、個別の結果を保証しません。

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よくある質問

賃金日額は、どのように計算しますか。

原則は、被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金の総額(臨時に支払われる賃金と、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く)を180で割った額です(雇用保険法第17条第1項)。日給・時給など働いた日や時間で賃金が決まる場合は、6か月の賃金総額を働いた日数で割った額の70%を下回らない額になります。

残業代や通勤手当は、賃金日額に含まれますか。

含まれます。厚生労働省の業務取扱要領では、超過勤務があった月の超過勤務手当は、その月の賃金として離職証明書に計上するものとされ、通勤手当も賃金と認められるものとして挙げられています。通勤手当のように月に対応する手当は、支払いを年3回以内にまとめていても賃金日額の算定の基礎に含まれます。

賞与や退職金は、賃金日額に含まれますか。

含まれません。年2回の賞与などは「3か月を超える期間ごとに支払われる賃金」にあたり、算定の基礎から除かれます。退職後に一時金や年金で支払われる退職金も算入されません。ただし、退職金相当額を在職中の給与に上乗せして支払う「前払い退職金」は、臨時に支払われる賃金などに当たらない限り、原則として算入されます。

賃金日額には上限や下限がありますか。

あります。雇用保険法第17条第4項で、算定した賃金日額に下限と、年齢区分ごとの上限が定められており、金額は毎年度見直されます。最新の金額はハローワークや厚生労働省の発表で確認してください。

賃金日額が分かったら、1日にもらえる金額はどう決まりますか。

賃金日額に給付率(賃金が低いほど高く、およそ50〜80%、60歳から64歳は45〜80%)を掛けた額が基本手当日額です。年齢区分ごとの上限額もあります。具体的な計算例は、失業手当はいつ・いくらのページに載せています。

雇用保険法第4条・第17条(e-Gov法令検索)、厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領」(令和4年8月版)第5章、ハローワークインターネットサービス「雇用保険手続きのご案内」にもとづく一般的な説明です(確認日: 2026-10-15)。個別の判断はハローワークが行うため、住所地を管轄するハローワークへ確認してください。

確認日の付け方と出典の扱いは編集方針と更新履歴に載せています。

出典