休職・育児休業・介護休業の期間は退職金の勤続年数に入るか

休職、育児休業、介護休業を挟んで退職するとき、退職金の勤続年数に入るのかを確認したい人向けに、「税の計算」と「会社の退職金の算定」の2つに分けて公式資料で整理します。

2つの「勤続年数」を分けて考える

休職や休業のあとに退職すると、「勤続年数」が2つの場面で出てきます。ひとつは所得税の退職所得控除額を計算するための勤続年数、もうひとつは会社が退職金の額を決めるための勤続年数や算定期間です。前者は国税庁の定め、後者は会社の退職金規程と育児・介護休業法の考え方で決まります。

税の計算:休職の期間は勤続期間に含まれる

国税庁のタックスアンサーNo.2732は、勤続年数を、原則として退職手当等の支払者の下で退職の日まで引き続き勤務した期間の年数(1年に満たない端数は1年に切り上げ)と説明しています。休職については次のとおりです。

休職の種類勤続期間の扱い
長期の欠勤や病気での休職の期間勤続期間に含まれる(他の支払者の下で勤務するための休職を除く)
他の支払者の下で勤務するために休職した期間勤続期間から除かれる(退職給与規程などの明らかな定めで計算の基礎に含まれる場合を除く)

育児休業・介護休業の期間が上のどちらに当たるかは、国税庁の同資料に個別の記載が確認できていません。勤続年数の数え方の全体は退職金の勤続年数の数え方で整理しています。個別の期間の扱いは、税理士または税務署へ確認してください。

会社の算定:休業期間を超えて控除することはできない

退職金を何年分として計算するかは、会社の退職金規程で決まります。厚生労働省の解説は、育児・介護休業の期間中に賃金を支払わないことや、退職金・賞与の算定で現に勤務した日数を考慮する場合に休業した期間分を日割りで算定対象期間から控除することを、不利益な取扱いに該当しないとしています。

一方で、休業期間を超えて働かなかったものとして取り扱うことは「不利益な取扱い」に該当し、育児・介護休業法第10条、第16条および第16条の4に抵触するとしています。第10条は、育児休業の申出や取得を理由とする解雇その他の不利益な取扱いを禁じる定めです。

会社の算定の仕方厚生労働省の解説での位置づけ
休業した期間分を日割りで控除する不利益な取扱いに該当しない(厚生労働省の解説)
休業期間を超えて働かなかったものとして扱う不利益な取扱いに該当し、育児・介護休業法に抵触する(同)

退職前に確認すること

自分の条件で試算する

勤続年数が決まったら、手取り計算で税引後の手取りを試算できます。控除額の金額は退職所得控除額の早見表で確認できます。

よくある質問

休職した期間は、退職所得控除の勤続年数に入りますか。

国税庁のタックスアンサーNo.2732は、長期の欠勤や病気での休職の期間を、勤続期間に含まれる期間として挙げています。ただし、他の支払者の下で勤務するために休職した期間は除かれます。個別の休職がどちらに当たるかは、税理士または税務署へ確認してください。

育児休業・介護休業の期間は、会社の退職金の算定に入りますか。

会社の退職金規程によります。厚生労働省の解説は、退職金の算定で現に勤務した日数を考慮する場合に、休業した期間分を日割りで算定対象期間から控除することは不利益な取扱いに当たらないとしています。一方、休業期間を超えて働かなかったものとして扱うことは、育児・介護休業法に抵触するとしています。

休職や育児休業を挟むと、退職所得控除が小さくなりますか。

税の勤続年数は、退職手当等の支払者の下で退職の日まで引き続き勤務した期間で数えます。長期の欠勤や病気での休職の期間はその期間に含まれるため、一般にそれだけで控除額が小さくなるわけではありません。育児休業・介護休業の期間の扱いは、国税庁の資料に個別の記載が確認できていないため、税務署へ確認してください。

会社の退職金が少なく計算されたとき、どこに相談しますか。

育児・介護休業を理由とする不利益な取扱いが疑われる場合は、都道府県労働局などの相談窓口へ確認してください。個別の判断は労働局または弁護士に確認する必要があります。

国税庁タックスアンサーNo.2732(令和8年4月1日現在法令等)、厚生労働省「就業規則における育児・介護休業等の取扱い」、育児・介護休業法第10条にもとづく一般的な説明です。個別の休職・休業が税の勤続期間や会社の算定でどう扱われるかは事情により異なり、断定できません。税理士、税務署、労働局または弁護士へ確認してください。確認日: 2026-10-12。

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