退職後の年金・失業手当・傷病手当金の調整と税の扱い

同時に受けられない組合せと、給付ごとの税金の違いを、公的機関の資料と法令の原文で確認します。

同時に受けられない2つの組合せ

退職後に受ける給付は、重ねて受けると一方が止まったり差し引かれたりするものがあります。日本年金機構と協会けんぽが示している組合せは次の2つです。

組合せどうなるか
65歳未満の老齢年金 × 失業手当(基本手当)失業給付を受ける期間、年金が全額支給停止になる
退職後の傷病手当金 × 老齢厚生年金などの老齢退職年金傷病手当金は支給されない。年金額の360分の1が傷病手当金の日額より低いときだけ差額が支給される

傷病手当金と失業手当の関係は病気・ケガで退職したときの失業手当と傷病手当金で整理しています。

65歳未満の老齢年金と失業手当

日本年金機構は、特別支給の老齢厚生年金などの65歳になるまでの老齢年金と雇用保険の失業給付は、同時には受けられないと説明しています。

この調整は、働いて厚生年金に入りながら年金を受ける人の支給停止(在職老齢年金の支給停止調整額)とは別の仕組みです。失業手当の日数や金額の目安は失業手当はいつ・いくらで確かめられます。

退職後の傷病手当金と老齢年金

協会けんぽのよくある質問では、退職後も傷病手当金を受けられるのは、次の2点を満たす場合とされています。

そのうえで、資格喪失後に継続給付を受けている人が老齢厚生年金等の老齢退職年金の受給者になると、傷病手当金は支給されません。年金額の360分の1が傷病手当金の日額より低いときは、その差額が支給されます。

給付ごとの税の扱い

受け取るお金は、課税されるものとされないものに分かれます。退職金と年金は課税の対象で、失業手当と傷病手当金は法律で課税が禁じられています。

受け取るお金税の扱い根拠
失業手当(失業等給付)課税されない雇用保険法第12条(公課の禁止)
傷病手当金(保険給付)課税されない健康保険法第62条(租税その他の公課の禁止)
老齢厚生年金課税される(公課禁止の例外)厚生年金保険法第41条第2項ただし書
老齢基礎年金課税される(公課禁止の例外)国民年金法第25条ただし書
障害年金・遺族年金など老齢以外の年金課税されない国民年金法第25条・厚生年金保険法第41条第2項本文

退職金を一時金で受け取ると退職所得、企業年金などを年金で受け取ると公的年金等の雑所得になります。違いは退職金・企業年金を年金で受け取ると雑所得で、退職金の手取りは手取り計算で確かめられます。

課税されないお金でも、国民健康保険料や住民税の計算にどう響くかは、お住まいの市区町村や加入先で扱いが異なることがあります。判断が分かれるときは、市区町村の窓口や税務署に確認してください。

退職後に確かめる順番

  1. 65歳未満で老齢年金を受けているか、受ける予定があるかを確かめる。ある場合は、求職の申込みの前に年金事務所へ確認する。
  2. 病気やケガで働けないときは、退職日の前日までの被保険者期間が1年以上あるかを確かめる。
  3. 退職金を一時金か年金かで受け取るかを、税の扱いの違いと合わせて決める。

期限は退職後の手続き期限の一覧で確認できます。

よくある質問

65歳未満で年金をもらいながら失業手当を受けられますか。

特別支給の老齢厚生年金などの65歳になるまでの老齢年金と失業給付は、同時には受けられません。求職の申込みをした月の翌月から、受給期間が経過した月(または所定給付日数を受け終わった月)まで、年金が全額支給停止されます。

退職後の傷病手当金は、老齢年金をもらうとどうなりますか。

資格喪失後に傷病手当金の継続給付を受けている人が老齢厚生年金等の老齢退職年金の受給者になると、傷病手当金は支給されません。ただし年金額の360分の1が傷病手当金の日額より低いときは、差額が支給されます。

失業手当や傷病手当金に税金はかかりますか。

雇用保険法第12条は失業等給付を、健康保険法第62条は保険給付を標準として、租税その他の公課を課すことができないと定めています。一方、老齢厚生年金と老齢基礎年金は、それぞれの法律のただし書で公課禁止の例外になっています。

日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」、協会けんぽ「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」、e-Gov法令検索の各法令(確認日2026-10-13)にもとづく一般的な制度の紹介です。個別の年金額・給付の調整・税額を断定するものではありません。年金事務所、ハローワーク、協会けんぽ、税理士・税務署に確認してください。

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