失業手当を受給中の健康保険の扶養(日額3,611円の基準)

配偶者などが退職して失業手当を受ける間、勤め先の健康保険の被扶養者になれるか、いつ外れるかを、日本年金機構・厚生労働省・国税庁の資料で整理します。

結論: 失業手当の日額で、扶養に入れるかが決まる

日本年金機構の案内によると、健康保険の被扶養者の収入には、雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれます。そのうえで、雇用保険等の受給者は日額3,611円以下であれば収入要件を満たすとされています(確認日2026-10-15)。

基本手当の日額が3,612円以上になると、扶養削除の届出が必要です。日額が基準を超える人は、受給している間は扶養に入れません。

収入要件の全体像

収入の種類目安
年間収入(原則)130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)
給与収入がある場合の月額換算月額108,333円以下
雇用保険等の受給者日額3,611円以下
19歳以上23歳未満(認定日が2025年10月1日以降)年間収入150万円未満

年間収入は過去の収入ではなく、被扶養者に該当する時点と認定された日以降の見込み額で判断します。同居の場合は収入が被保険者の収入の半分未満、別居の場合は仕送り額未満であることも条件です。

待機期間・給付制限・受給終了後の扱い

自己都合退職の給付制限中の扱いは、この案内には明記がありません。加入先の健康保険(協会けんぽの支部、健康保険組合)へ確認してください。失業手当の日額と日数の見込みは失業手当はいつ・いくらで確かめられます。

税の扶養との違い

健康保険の扶養と、所得税の配偶者控除・扶養控除は別の制度で、基準も数え方も違います。

項目健康保険の被扶養者税の配偶者控除・扶養控除
失業手当の扱い収入に含めて判定合計所得金額に含める必要はない
判定の物差し年間収入の見込み、日額その年の合計所得金額

国税庁の確定申告書等作成コーナーの質問回答では、求職者給付は雇用保険法第12条により課税されないため、控除対象配偶者の判定に使う合計所得金額に含める必要はないとされています。つまり、失業手当を受けていても税の扶養は外れないことがある一方、健康保険の扶養は外れる、という食い違いが起こります。

退職金を受け取った年は、退職所得の金額が税の扶養の判定に入る場合があります。詳しくは退職金を受け取った年の配偶者控除・扶養控除で確認できます。

扶養から外れたあとの選択肢

失業手当を受けている間にアルバイトをすると、日額の判断や失業手当の減額に関わります。失業手当の受給中のアルバイト・内職も確認してください。

日本年金機構・厚生労働省・国税庁の公開資料(2026-10-15確認)にもとづく一般的な説明です。日額の基準は日本年金機構の被扶養者認定の案内に記載のものです。健康保険組合など保険者によって取扱いが異なる場合があるため、実際の認定は加入先の健康保険へ確認してください。税務の判断は、税理士・税務署へご確認ください。

退職金の手取りは手取り計算、退職後の手続き期限は退職後の手続き期限の一覧で確認できます。

よくある質問

失業手当を受けていると、健康保険の扶養に入れませんか。

日額で判定され、一律に入れないわけではありません。日本年金機構の案内では、雇用保険等の受給者は日額3,611円以下であれば収入要件を満たすとされています。基本手当の日額が3,612円以上になると扶養の削除が必要です。

失業手当の待機期間中や給付制限中は、扶養に入れますか。

日本年金機構の案内では、雇用保険の待機期間中でも収入要件を満たしていれば被扶養者として認定できます。ただし基本手当(3,612円以上)の支給が始まったら、扶養削除の届出が必要です。給付制限中の扱いはこの案内に明記がないため、加入先の健康保険へ確認してください。

税金の扶養(配偶者控除)も同じ基準ですか。

同じではありません。健康保険の扶養は失業等給付を収入に含めて判定しますが、税の配偶者控除などの判定に使う合計所得金額には、失業手当(求職者給付)を含める必要がありません。国税庁の確定申告書等作成コーナーの質問回答で示されています。

扶養から外れたら、どの保険に入りますか。

本人が国民健康保険に加入するのが基本です。退職前の健康保険の任意継続を選べる場合もあります。年金も、配偶者の扶養(第3号被保険者)から外れる場合は国民年金の加入手続きが必要になります。

出典