結論: 退職金が入る見込みがわかったら、受け取る前に福祉事務所へ伝える
生活保護は、利用できる資産や収入をまず生活の維持に使うことを前提にした制度です。退職金も、受け取れば収入や資産の変動にあたります。確かめられた点は次の3つです。
| 確認できた点 | 根拠 |
|---|---|
| 保護は、利用し得る資産などを最低限度の生活の維持に活用することが要件 | 生活保護法第4条 |
| 収入があれば、その分は保護の基準額から差し引かれる(不足分を補う程度で行う) | 生活保護法第8条、東京都の裁決資料 |
| 収入の変動があったら、すみやかに福祉事務所長などへ届け出る義務がある | 生活保護法第61条 |
届出の義務(第61条)
生活保護法第61条は、被保護者は、収入、支出その他生計の状況について変動があったとき、または居住地もしくは世帯の構成に異動があったときは、すみやかに、保護の実施機関または福祉事務所長へ届け出なければならないと定めています。退職金は、勤め先から支払われる収入です。退職の予定や退職金の見込み額がわかった段階で、担当のケースワーカーへ伝えておくと、受け取った後の扱いを早く決めてもらえます。
収入として認定される原則(第8条・東京都の資料)
第8条は、保護は、最低限度の生活に必要な額のうち、本人の金銭や物品で満たせない不足分を補う程度で行うと定めています。東京都の裁決資料は、就労に伴う収入あるいは就労に伴う収入以外の収入がある場合は、その収入額が受給者の収入として認定され、保護の基準とされた金額から控除されると説明しています。
ただし、退職金そのものについて、どの月の収入として、いくらを認定するのかは、今回確かめた一次資料に記載がありませんでした。同じ資料では、年金や手当のように複数月分をまとめて支給するものを受給月ごとに分けて認定する取り扱いがある一方、雇用保険の基本手当はその対象外とされており、給付の種類で扱いが分かれます。退職金の扱いは、福祉事務所に確認してください。
届け出ずに受け取った場合(第78条)
第78条は、偽りその他不正な手段で保護を受けた人がいるとき、保護費を支弁した都道府県または市町村の長は、その費用の全部または一部を徴収できると定めています。さらに、その徴収額に100分の40を乗じた額以下の金額を、加えて徴収できます。退職金を受け取ったことを伝えずに保護費を受け続けると、この対象になり得ます。
このページで扱わないこと
認定される金額の計算、必要経費や自立に向けた控除の扱い、保護の廃止や停止になる目安、個別の事情での結論は扱いません。これらは福祉事務所の判断になります。迷うときは、受け取る前に担当のケースワーカー、または市区町村の生活保護窓口へ相談してください。退職金の税金の仕組みは退職金の手取り計算、受け取り前後の手続きは手続きチェックリストで確認できます。
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よくある質問
生活保護の受給中に退職金をもらったら、届け出は必要ですか。
必要です。生活保護法第61条は、収入などの生計の状況に変動があったとき、被保護者はすみやかに福祉事務所長などへ届け出なければならないと定めています。退職金が入る見込みがわかった時点で、担当のケースワーカーへ伝えるのが確実です。
退職金は収入として扱われますか。
東京都の裁決資料は、就労に伴う収入以外の収入がある場合も、その額は収入として認定され、保護の基準額から差し引かれると説明しています。退職金の金額をどの月にどう認定するかは、一次資料で確かめられませんでした。福祉事務所が決めます。
届け出ずに退職金を受け取るとどうなりますか。
生活保護法第78条は、不正な手段で保護を受けた場合、費用の全部または一部を徴収するほか、その額の100分の40以下の金額を加えて徴収できると定めています。
出典
- e-Gov法令検索「生活保護法」第4条・第8条・第61条・第78条(laws.e-gov.go.jp)。確認日2026-10-28
- 東京都「東京都行政不服審査会 答申内容(収入認定に関する審査請求)」(www.soumu.metro.tokyo.lg.jp)。確認日2026-10-28