結論: 季節的な仕事を辞めた人には、基本手当ではなく特例一時金が出る
季節的に雇用されている人などは、雇用保険で「短期雇用特例被保険者」(リーフレットでは短期特例被保険者)として扱われ、失業したときは、失業手当(基本手当)ではなく特例一時金が支給されます。ハローワークの案内は、仕事と離職を一定の期間ごとに繰り返す人には、一時金のほうが生活の実態に合うためだと説明しています。制度は現在もあります。
| 項目 | 特例一時金 | 基本手当(一般の被保険者) |
|---|---|---|
| 対象 | 短期雇用特例被保険者(季節的に雇用されている人など) | 一般の被保険者 |
| 必要な被保険者期間 | 離職前1年間に通算6か月以上 | 離職前2年間に通算12か月以上(特定受給資格者などは1年間に6か月以上) |
| 1か月と数える条件 | 賃金支払の基礎となった日数が11日以上、または時間数が80時間以上 | 同じ(日数が11日以上、または時間数が80時間以上の月を1か月と数える) |
| 支給額 | 基本手当日額の40日分(本来は30日分で、当分の間の暫定措置) | 基本手当日額 × 給付日数(離職理由・年齢・加入期間で決まる) |
| 支給のされ方 | 失業の認定を受けた日に一括で支給 | 原則4週間に1度の認定を繰り返し、日数分が順に支給 |
| 受給できる期限 | 離職の日の翌日から6か月 | 離職の日の翌日から原則1年 |
受給できる人の条件
厚生労働省の「特例一時金のご案内」は、次の2つをどちらも満たす人が対象としています。
- 離職の日以前1年間に、11日以上働いた月が通算して6か月以上あること(賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上の月を1か月として計算する場合もあります)
- 失業の状態にあること(就職したい意思と、いつでも就職できる能力があり、求職活動をしているのに就職できない状態)
同じリーフレットは、家事に専念する人、昼間学生、すでに次の就職が決まっている人、自営を始めた人、会社の役員になった人などは、原則として支給を受けられないとしています。週20時間未満のパート・アルバイト中の人は、支給を受けられる場合があると書かれています。
支給額と、もらえる時期
支給額は、基本手当日額の40日分です。基本手当日額は、被保険者期間として計算された離職前6か月間の賃金をもとに計算されます。本来は30日分ですが、当分の間は暫定措置で40日分です。暫定措置がいつまで続くかは、確認した資料に書かれていません。
支給の前に、待期(求職の申し込み後、失業の状態にあった日が7日間経過するまで)があります。自己都合で退職した場合は、待期のあとさらに給付制限が1か月かかります(令和7年3月31日以前の自己都合退職は2か月、重大な理由による解雇は3か月)。支給を受けるには、待期と給付制限が経過する見込みの日の後にある失業の認定日に、ハローワークで失業の状態を確認してもらいます。
申請先と期限
申請先は、住所を管轄するハローワークです。自分で求職の申し込みなどの手続きをします。持ち物はリーフレットで、離職票―1と離職票―2、マイナンバーカード(ない場合は個人番号と身元の確認書類)とされています。
受給できる期限は、離職の日の翌日から6か月です。申し込みが遅れると、40日分の支給を受けられなくなることがあります。リーフレットの例では、期限を過ぎた25日分は支給されません。離職票が届いたら、早めに手続きしてください。
特例一時金の手続きの前に就職して一般の被保険者になった場合は、特例一時金は受給できなくなります。一般の被保険者としての受給には被保険者期間が通算12か月必要なため、そちらの資格も満たさなくなる場合があります。
65歳以上の人の場合
65歳以上の被保険者でも、短期雇用特例被保険者に当たる人は特例一時金の対象です。短期雇用特例被保険者に当たらない65歳以上の被保険者は、高年齢被保険者として、高年齢求職者給付金を受けます。被保険者であった期間が1年未満なら基本手当日額の30日分、1年以上なら50日分で、失業の認定は1回限りです。くわしくは65歳以上で退職したときの高年齢求職者給付金で整理しています。
2028年10月に変わる点
厚生労働省の資料では、2028年10月1日に、短期雇用特例被保険者から除かれる人の週所定労働時間の下限が「20時間以上」から「10時間以上」に変わります。1か月と数える基準も、11日以上から6日以上、80時間以上から40時間以上へ緩和されます。加入条件の改正全体は雇用保険の加入条件が週10時間以上に拡大で整理しています。
このページで扱わないこと
自分の勤め先が「季節的に雇用」に当たるか、短期雇用特例被保険者として扱われているかは、雇用保険被保険者証や離職票の記載で、ハローワークが判断します。個別の支給額(基本手当日額)の計算もここでは行いません。
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よくある質問
特例一時金はどんな人がもらえますか。
短期雇用特例被保険者(季節的に雇用されている人など)で、離職の日以前1年間に11日以上働いた月が通算6か月以上あり、失業の状態にある人です。賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上の月を1か月として数える場合もあります。
特例一時金はいくらもらえますか。
基本手当日額の40日分です。本来は30日分ですが、当分の間の暫定措置で40日分とされています。基本手当日額は、離職前6か月間の賃金をもとに計算されます。
特例一時金はどこで、いつまでに申請しますか。
住所を管轄するハローワークで、離職票を持って求職の申し込みをします。受給できる期限は離職の日の翌日から6か月で、手続きが遅れると40日分をもらえなくなることがあります。
特例一時金と基本手当は、どう違いますか。
特例一時金は、失業の認定を受けた日に一括で支給されます。基本手当は、原則4週間に1度の認定を繰り返して日数分が順に支給されます。必要な被保険者期間も、特例一時金は離職前1年間に6か月以上、基本手当は離職前2年間に12か月以上が原則です。
特例一時金をもらう前に別の会社で働き始めたら、どうなりますか。
手続きの前に就職して一般の被保険者になると、特例一時金は受給できなくなります。一般の被保険者としての受給資格も、通算12か月に届かないと満たさなくなる場合があります。働き始める前にハローワークへ相談してください。
出典
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(www.hellowork.mhlw.go.jp)
- 厚生労働省・ハローワーク リーフレット「離職されたみなさまへ 特例一時金のご案内」(www.mhlw.go.jp)
- 厚生労働省 雇用保険部会資料「令和6年雇用保険制度改正(令和10年10月1日施行分)について」(www.mhlw.go.jp)