結論: 2028年10月1日から、週10時間以上20時間未満の人も雇用保険に入る
雇用保険の被保険者になる条件のうち、1週間の所定労働時間(雇用契約で決まっている働く時間)が「20時間以上」から「10時間以上」に変わります。厚生労働省の資料では、施行日(制度が始まる日)は2028(令和10)年10月1日です。2026年10月現在は、まだ週20時間以上が条件です。
| 項目 | 現行 | 2028年10月1日以降 |
|---|---|---|
| 被保険者になる週の所定労働時間 | 20時間以上 | 10時間以上 |
| 被保険者期間の1か月と数える条件(賃金支払の基礎となった日数) | 11日以上 | 6日以上 |
| 被保険者期間の1か月と数える条件(賃金支払の基礎となった時間数) | 80時間以上 | 40時間以上 |
| 働いても失業日と認める1日の労働時間(失業の認定) | 4時間未満 | 2時間未満 |
| 法定の賃金日額の下限額 | 2,460円 | 1,230円 |
厚生労働省の資料には「給付は別基準とするのではなく、現行の被保険者と同様に、基本手当、教育訓練給付、育児休業給付等を支給」と書かれています。新しく入る人だけ給付が小さくなる仕組みは、資料からは読み取れません。
失業手当の受給資格への影響
失業手当(基本手当)をもらうには、離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算12か月以上必要です。倒産・解雇などによる離職(特定受給資格者)や、やむを得ない理由のある自己都合退職(特定理由離職者)は、離職の日以前1年間に6か月以上で足ります。厚生労働省の部会報告は、この12か月と6か月は「現行のとおり」としています。
変わるのは、1か月と数える基準です。今は、賃金の支払の基礎となった日数が11日以上、または時間数が80時間以上ある月を被保険者期間の1か月と数えます。2028年10月1日以降は、6日以上、または40時間以上になります。
被保険者期間は、被保険者であった期間が対象です。2028年9月30日までに週20時間未満で働いていた期間を、被保険者期間に通算できるかどうかは、確認した資料に書かれていません。このページでは断定しません。
受給中に働いたときの扱いも変わる
失業の認定では、働いた日の労働時間が1日4時間未満なら失業日と認めています。2028年10月1日以降は、これが2時間未満になります。短時間のアルバイトは、今より早く「就労」として扱われる側に動きます。現行の扱いは失業手当の受給中のアルバイト・内職・手伝いで整理しています。
短時間で働いて辞めた人は、今はどうなるか
2028年9月30日までに辞める場合は、現行の条件が使われます。週の所定労働時間が20時間未満の勤務は、雇用保険の被保険者にならないため、その期間は被保険者期間に入らず、失業手当の受給資格にも数えられません。ほかに被保険者として働いた期間があるときは、その期間だけで12か月(または6か月)に届くかどうかを見ます。受給資格の有無は、離職票をもとに住所地のハローワークが決めます。
学生については、昼間学生は原則として被保険者にならないと、ハローワークの案内に書かれています。2028年以降の扱いは、確認した資料では見つかりませんでした。
このページで扱わないこと
経過措置の細部、2028年以降の給付日数、昼間学生や31日以上の雇用見込みの要件の変更は、公式資料で確認できていないため書いていません。個別の受給資格はハローワークが判断します。
関連するページ
- 失業手当の全体像: 失業手当はいつ・いくら
- 被保険者期間の数え方: 失業手当の被保険者期間の数え方
- 受給中の働き方: 失業手当の受給中のアルバイト・内職・手伝い
- 季節的な仕事を辞めたとき: 季節的な仕事を辞めたときの特例一時金
- 加入手続きが遅れていたとき: 雇用保険の遡及加入(原則2年)
- 失業手当が出ない人: 求職者支援制度(職業訓練受講給付金)
よくある質問
雇用保険の加入条件が週10時間以上になるのはいつからですか。
厚生労働省の資料では、施行日は2028(令和10)年10月1日です。被保険者の要件のうち、週の所定労働時間が「20時間以上」から「10時間以上」に変わります。2028年9月30日までは、現行の週20時間以上のままです。
週15時間のパートを辞めたとき、今は失業手当をもらえますか。
2028年9月30日までに辞める場合、週の所定労働時間が20時間未満の勤務は雇用保険の被保険者になりません。その勤務の期間は被保険者期間に数えられないため、ほかに被保険者として働いた期間と合わせて、離職前2年間に12か月以上(特定受給資格者などは1年間に6か月以上)あるかで決まります。個別の判断はハローワークで確認してください。
適用拡大のあと、被保険者期間の1か月はどう数えますか。
厚生労働省の資料では、賃金の支払の基礎となった日数が11日以上から6日以上へ、賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上から40時間以上へ変わります。受給に必要な12か月(特定受給資格者などは6か月)の枠は現行のままです。
2028年より前に週20時間未満で働いた期間は、被保険者期間に通算されますか。
確認した厚生労働省の資料には、通算の可否は書かれていません。このページでは断定せず、該当する場合は住所地のハローワークに確認する形にしています。
適用拡大後も、失業手当の額や日数は同じですか。
厚生労働省の資料では、新たに被保険者になる人にも現行の被保険者と同様に基本手当などを支給するとされています。ただし、法定の賃金日額の下限額が2,460円から1,230円に変わるため、賃金の低い人の日額の計算には影響します。日数表の変更は確認した資料に書かれていません。
出典
- 厚生労働省 雇用保険部会資料「令和6年雇用保険制度改正(令和10年10月1日施行分)について」(www.mhlw.go.jp)
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(www.hellowork.mhlw.go.jp)
- 札幌ハローワーク(北海道労働局)「雇用保険の適用」(jsite.mhlw.go.jp)