特定退職金共済(特退共)の退職金:加入できる人・団体の要件と一時金の税金

特定退職金共済(特退共)の退職金は、会社が掛金を払い、退職時に一時金で受け取る制度です。一時金は税金の上で退職金と同じ退職所得になります。特退共を行う団体が満たすべき要件を、政令の条文にそって確認します。

特退共とは:税務署長の承認を受けた団体の退職金共済

特定退職金共済(特退共)は、所得税法施行令73条に定める「特定退職金共済団体」が行う退職金共済制度です。団体になれるのは、退職金共済事業を行う市町村(特別区を含む)、商工会議所、商工会、商工会連合会、都道府県中小企業団体中央会、退職金共済事業を主たる目的とする一般社団法人・一般財団法人などで、事業について税務署長の承認を受けたものです。国の中退共(中小企業退職金共済)とは別の制度で、運営するのは各地の団体です。

承認の要件(所得税法施行令73条)

政令は、団体の事業が次の要件を備えていることを求めています。主なものを働く人の立場から読み替えると、次のとおりです。

要件内容
掛金の負担多数の事業主を対象とし、掛金は加入事業主だけが負担します。従業員本人は掛金を負担しません。
掛金の月額被共済者(退職給付金を受け取る人)1人につき3万円以下です。
対象にできない人加入事業主である個人、その人と生計を一にする親族、加入事業主である法人の役員は被共済者にできません。ただし、使用人としての職務を持つ役員(使用人兼務役員)は除かれます。
他の団体との重複被共済者に、他の特定退職金共済団体の被共済者を含みません。
掛金の返還払い込まれた掛金は、運用による利益を含めて、加入事業主に返還しません。
運用先公社債、預貯金、合同運用信託、証券投資信託の受益権など、政令に列挙された資産で運用します。これらの資産を担保に供したり貸し付けたりしません。
公平な扱い掛金や退職給付金の額について、特定の事業主や被共済者を不当に差別しません。
経理の区分退職金共済事業の経理は、他の経理と区分して行います。

中退共や他の特退共の団体から退職金相当額を引き継ぐ場合の定めなど、このほかの要件もあります。全文は、e-Gov法令検索の所得税法施行令73条で確認できます。

退職時の一時金は退職所得になる

所得税法施行令72条3項1号は、特定退職金共済団体が行う退職金共済制度に基づいて支給される一時金で、被共済者の退職により支払われるものを、退職手当等とみなす一時金に挙げています。したがって、特退共の退職一時金は、会社から直接受け取る退職金と同じ退職所得として計算します。

一時金のほかの受け取り方(年金のように分けて受け取る方法など)が団体にあるかどうか、その場合の税の扱いは、このページでは確認できた範囲に含めていません。加入している団体の案内と、税務署または税理士に確認してください。

自分の条件で試算する

一時金で受け取ったときの税引後の手取りは、手取り計算と退職金の手取り早見表で試算できます。中退共・確定給付企業年金・小規模企業共済などほかの一時金との区分は、退職金以外で退職所得になる一時金の一覧にまとめています。

このページで扱わないこと

各団体の掛金額や退職金の額、加入手続き、年金形式の受け取りの税、個別の一時金が退職所得に当たるかどうかの最終判断は扱いません。

所得税法施行令72条3項1号・73条(e-Gov法令検索、確認日: 2026-10-11)にもとづく一般的な説明です。個別の税額や、退職手当等が複数ある場合の扱いなど判断が分かれる点は断定できないため、税務署または税理士にご確認ください。

出典