建設業の退職金相場(学歴・勤続年数別)

東京都「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」のモデル退職金データです。都内・従業員10〜299人の中小企業が対象です。

建設業に勤める一般従業員を対象に、東京都「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」のモデル退職金データを学歴・勤続年数別にまとめました。対象は都内・従業員10〜299人の中小企業です。自己都合退職・会社都合退職それぞれの支給額(万円)を確認できます。

自分の退職金額がわかったら、手取り計算ページで税引後の金額を試算できます。他の業種と比較したい場合は業種別ベンチマークページと、14業種を1枚の表に並べた業種別の退職金を一覧で比較をご覧ください。

高校卒

勤続年数年齢自己都合退職会社都合退職
1年198.7万円10.9万円
3年2121.7万円29.8万円
5年2341.0万円55.8万円
10年2889.2万円132.1万円
15年33183.3万円240.6万円
20年38247.9万円354.3万円
25年43440.8万円540.3万円
30年48550.2万円604.4万円
35年53706.0万円766.4万円
37年55800.4万円850.2万円
定年——991.4万円

高専・短大卒

勤続年数年齢自己都合退職会社都合退職
1年218.8万円11.2万円
3年2323.5万円29.3万円
5年2544.3万円53.5万円
10年30105.5万円130.2万円
15年35185.5万円227.0万円
20年40302.9万円359.2万円
25年45386.5万円450.2万円
30年50518.4万円581.7万円
35年55688.5万円749.1万円
定年——931.2万円

大学卒

勤続年数年齢自己都合退職会社都合退職
1年239.2万円11.9万円
3年2524.5万円30.1万円
5年2746.3万円58.4万円
10年32108.8万円141.4万円
15年37196.3万円242.5万円
20年42320.7万円382.8万円
25年47436.6万円499.7万円
30年52580.5万円633.8万円
33年55649.6万円700.3万円
定年——929.6万円
このデータは東京都内・従業員10〜299人の中小企業を対象とした調査の平均的な支給額です。個々の企業の退職金規程・制度によって実際の金額は異なります。従業員300人以上の企業や東京都以外の地域の相場は本データに含まれません。

建設業の大学卒・勤続30年は、他の業種と比べてどの位置か

大学卒・勤続30年の会社都合退職は633.8万円で、全業種(調査産業計)の776.2万円より142.4万円低く、金額が公表されている8業種(全業種を除く)のうち8番目です。

項目(大学卒・勤続30年・会社都合)金額・順位
建設業633.8万円
全業種(調査産業計)776.2万円
全業種との差−142.4万円
公表されている8業種での順位8番目

調査対象は東京都内・従業員10〜299人の中小企業で、業種ごとの回答企業数は少ないため、順位は全国の傾向ではなく目安として読んでください。14業種の横棒グラフは業種別の退職金を一覧で比較にあります。

建設業の大学卒・勤続30年の退職金にかかる税金の目安

上の大学卒・勤続30年のモデル退職金から、国税庁タックスアンサーNo.1420の退職所得控除額を引いて、税金の目安を出しました。勤続30年の退職所得控除額は、800万円+70万円×(30年−20年)=1,500万円です。

項目自己都合退職会社都合退職
モデル退職金(大学卒・勤続30年)580.5万円633.8万円
退職所得控除額(勤続30年)1,500万円1,500万円
課税退職所得((退職金−控除額)×2分の1。0円以下なら0円)0円0円
所得税・復興特別所得税・住民税の合計0円0円
手取りの目安580.5万円633.8万円

どちらも控除額の1,500万円を下回るため、「退職所得の受給に関する申告書」を勤め先へ出していれば、所得税等も住民税もかかりません。申告書を出していない場合は、支払いの際に退職金の20.42%が源泉徴収されます(会社都合なら約129.4万円)。その分は確定申告で精算します。

この計算は、新卒で入社して勤続30年ちょうどで退職し、役員ではなく、他の退職金を同じ年に受け取らない一般の従業員を想定しています。前年以前に別の退職金を受け取った場合や障害者になったことが原因の退職では、控除額が変わります。個別の税額は、勤め先の経理担当、税理士または税務署へ確認してください。他の勤続年数や金額の税額は退職金の手取り早見表と手取り計算で確認できます。

建設業の相場を読むときの注意

建設業は、退職金制度がある企業が82.9%(全体の平均は74.9%)で、一時金のみが67.0%、年金のみが9.2%、両制度併用が23.7%です(厚生労働省 令和5年就労条件総合調査、常用労働者30人以上の企業)。上の表では、勤続30年の自己都合と会社都合の差が、大学卒で53.3万円、高校卒で54.2万円と小さく、勤続20年の高校卒では106.4万円です。年数によって差の開き方が変わる業種なので、自分の勤続年数の行で自己都合と会社都合の両方を見比べてください。勤め先の制度の仕組みは、会社の規程で確かめてください。

現場で働く高校卒(生産労働者)の勤続5年・15年の退職金

現場施工など、現場で働く職種に近い区分として、中央労働委員会「令和7年賃金事情等総合調査 退職金、年金及び定年制事情調査」の表13-13(高校卒・生産労働者・会社都合)に建設業の値があります。全国の労働者1,000人以上の企業が対象で、建設業の集計社数は2社と少ないため、目安としてご覧ください。上の東京都の表(都内の中小企業)とは調査対象が違います。

勤続年数年齢会社都合退職
5年2391.5万円
15年33220.9万円

表は、退職一時金制度がある企業の高校卒・生産労働者のモデル退職金です。自己都合退職(表13-14)は、建設業の勤続5年・15年の値が原資料で公表されていないため載せていません。職種や企業ごとに退職金規程は違うため、自分の会社の退職金規程と合わせて確認してください。

建設業で働く人は建退共の請求も確認する

上の表は、東京都の調査に答えた企業の退職金制度の額です。建設業では、これとは別に、建設業退職金共済制度(建退共)に加入して、共済手帳に共済証紙を貼って(または電子申請で掛金を納めて)退職金を積み立てている現場の人がいます。建退共の退職金は、勤め先ではなく建退共から直接支払われます。

見る点会社の退職金制度(上の表)建退共
支払う所勤め先の会社建退共(勤め先ではない)
請求できる条件会社の退職金規程掛金が12月分以上(21日分を1か月と数える)
金額の決まり方規程の算式・勤続年数・退職理由納めた掛金の日数と日額

共済手帳の確認、本人が請求するときの書類、税金(退職所得の受給に関する申告書を出さないと20.42%が引かれる点)は建退共の退職金の請求条件・必要書類・税金、林退共・清退共との違いは特定業種の退職金共済の比較にまとめています。会社の退職金と建退共の両方がある人は、受け取る年や手続きが別になるため、それぞれの案内を確認してください。

建設業の退職金のよくある質問

建設業の大学卒で、勤続20年の退職金はいくらですか。

東京都の令和6年版では、建設業・大学卒・勤続20年(42歳)のモデル退職金は、自己都合退職で320.7万円、会社都合退職で382.8万円です。

建設業の定年退職時の退職金の相場は、いくらですか。

同じ調査で、定年時のモデル退職金(会社都合退職の欄)は、高校卒が991.4万円、高専・短大卒が931.2万円、大学卒が929.6万円です。

建設業の高校卒は、自己都合と会社都合でどのくらい違いますか。

高校卒・勤続10年では自己都合89.2万円、会社都合132.1万円で、差は42.9万円です。勤続30年では自己都合550.2万円、会社都合604.4万円で、差は54.2万円です。

建設業では、退職金制度がある会社はどのくらいですか。

令和5年就労条件総合調査では、建設業の退職給付制度がある企業は82.9%、ない企業は15.6%です。

建設業の大学卒・勤続30年の退職金には、税金がかかりますか。

東京都の令和6年版のモデル退職金(大学卒・勤続30年)は、633.8万円(会社都合退職)で、退職所得控除額の1,500万円を下回ります。「退職所得の受給に関する申告書」を出していれば、所得税等も住民税も0円で、手取りは額面と同じです。

他の業種の相場を確認する

全業種(調査産業計) / 製造業 / 運輸業,郵便業 / 不動産業,物品賃貸業

業種を横断して比べるときは業種別ベンチマーク、受け取る退職金の税引後の金額は手取り計算で確認できます。金額ごとの手取りをすぐ見たいときは退職金の手取り早見表、控除の枠は退職所得控除額の早見表が使えます。

データについて

東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」第8表(業種別モデル退職金)を使用しています。学歴3区分(高校卒・高専短大卒・大学卒)×勤続年数11区分(1〜37年・定年)で、自己都合退職・会社都合退職それぞれの支給額(千円単位を万円に換算)が公開されています。

詳しい出典はデータの出典ページをご覧ください。