3制度の比較表
| 項目 | 建退共(建設業) | 林退共(林業) | 清退共(清酒製造業) |
|---|---|---|---|
| 対象 | 建設業で働く人 | 林業の現場で働く期間雇用者 | 清酒・単式蒸留焼酎・泡盛・みりん2種の製造業の蔵元で働く従事者 |
| 掛金日額(共済証紙1日券) | 320円 | 470円 | 300円 |
| 請求できる掛金納付月数 | 12月分以上(21日分を1か月と数える) | 24月分以上(17日分を1か月に換算)。遺族請求は12月以上 | 24月分以上(15日分を1か月と換算)。死亡の場合は12月以上 |
| 請求先 | 建退共の支部 | もよりの林退共支部 | 各都道府県の清退共支部 |
| 請求の主な書類 | 退職金請求書など(本人請求の書類は建退共のページ) | 退職金請求書(様式り7号)、共済手帳、住民票 | 退職金請求書、共済手帳、住民票。請求事由ごとの証明が必要 |
| 支払いの目安 | 書類受付から1か月ほど | 書類がそろって受け付けてから1か月程度 | 請求書に書く口座へ振込 |
| 新規加入の掛金の国の補助 | このページでは未確認 | 初回交付の手帳の62日分の掛金を免除 | 初回交付の手帳の60日分の掛金を免除 |
掛金日額は、建退共は「掛金日額320円から掛け始めた人の退職金額」の表の前提、林退共・清退共は共済証紙の販売価額です。過去に納めた分は、その時点の日額で計算されます。
共通する仕組み:事業主が掛金を納め、機構が本人へ直接支払う
3制度とも、事業主が働いた日数に応じて掛金を納め、勤労者退職金共済機構が本人へ直接退職金を支払います。勤め先が変わっても、同じ業界の制度に加入している事業主のもとで働けば、納めた期間は通算されます。会社の退職金規程による退職金とは別の請求です。掛金を事業主が払い込む費用は、法人では損金、個人では必要経費として全額非課税と、各制度の公式ページに書かれています。
制度ごとの違い
建退共:請求できるのは12月分から
建設業をやめたときに請求します。掛金納付月数が12月以上24月未満の場合、退職金は掛金納付額の3〜5割程度になります。条件と書類は建退共の退職金の請求条件・必要書類・税金で詳しく説明しています。
林退共:24月分以上で、一人親方は任意組合をつくって加入
林業の現場で働く人なら、植林、下刈、間伐、主伐など作業の種類や、月給・日給・出来高の別にかかわらず対象になり得ます。事業主、役員報酬を受けている人、事務専用の社員は加入できません。いわゆる「一人親方」は、集まって任意組合をつくり、機構が規約を認定すると、その組合を事業主とみなして制度が適用されます。
清退共:請求の事由が7つに分かれる
清退共の退職金は、清酒製造業で働かなくなったときに支給されます。請求事由は、独立して仕事を始めた、無職になって今後どこにも就職しない、清酒製造業関係以外の事業主に雇われた、清酒製造業関係の事業所の社員や職員になった、けが・病気で仕事ができなくなった、満55歳以上になった、本人が死亡した、の7つです。事由ごとに、最後の事業主、酒造組合(連合会)、杜氏組合、新しい事業主、医師の診断書、戸籍謄(抄)本などの証明が必要です。事業主、役員報酬を受けている人、事務専用の社員は加入できません。
中退共との関係
林退共・清退共の公式ページでは、中退共を含む他の制度との、従事者の重複加入はできないと案内しています。会社の中小企業退職金共済(中退共)の請求は中退共の退職金の請求手続き、分割して受け取る場合は中退共の分割払の条件で確認できます。
手取りの目安と税金
共済から受け取る退職金も、退職所得の扱いになる一時金です。退職所得控除は退職所得控除の早見表、手取りは手取り計算で試算できます。退職所得の受給に関する申告書の出し方は申告書を出す・出さないの違い、受取前後の手続きは退職金の受取前後の手続きチェックリストを参照してください。
よくある質問
建退共・林退共・清退共は、会社の退職金とは別ですか。
はい。事業主が働いた日数に応じて証紙などで掛金を納め、勤労者退職金共済機構が本人へ直接退職金を支払う仕組みです。勤め先の退職金規程による退職金とは別の請求になります。
建退共・林退共・清退共に重複して加入できますか。
林退共・清退共の公式ページでは、中小企業退職金共済(中退共)や、建設業・清酒製造業・林業の各制度との、従事者の重複加入はできないと案内しています。
請求できる掛金納付月数は、制度によって違いますか。
違います。建退共は12月分以上(21日分を1か月と数える)、林退共は24月分以上(17日分を1か月に換算)、清退共は24月分以上(15日分を1か月と換算)です。本人が亡くなった場合は、林退共・清退共とも12月以上あれば遺族が請求できます。
別の共済制度に移ったとき、掛金の期間はどうなりますか。
林退共・清退共の公式ページによると、中小企業・建設業・清酒製造業・林業の各制度の間を移った場合、一定の条件を満たすときは、移る前の制度の退職金相当額または掛金総額のうち大きい方を上限に通算できます。条件と手続きは各制度の支部に確認してください。
受け取った退職金に、税金はかかりますか。
この比較では税額の判断はしません。建退共の公式ページには、退職所得の申告がない場合は退職金額の20.42%(復興特別所得税を含む)が徴収されると書かれています。林退共・清退共にも退職所得申告書の様式があります。手取りの目安は手取り計算で確認でき、税務の判断は税務署または税理士に確認してください。
出典
- 建退共「建退共の退職金について」(kentaikyo.taisyokukin.go.jp)
- 林退共「林業退職金共済制度とは」(rintaikyo.taisyokukin.go.jp)
- 林退共「手続きのご案内」(加入・共済証紙の販売価額)(rintaikyo.taisyokukin.go.jp)
- 林退共 Q&A「共済手帳を持っていますが、どのような手続きを取ったら退職金が貰えるのでしょうか」(rintaikyo.taisyokukin.go.jp)
- 清退共「清酒製造業退職金共済制度とは」(seitaikyo.taisyokukin.go.jp)
- 清退共「手続きのご案内」(共済証紙の販売価額)(seitaikyo.taisyokukin.go.jp)
- 清退共「退職金を受け取るとき」(seitaikyo.taisyokukin.go.jp)