特定受給資格者・特定理由離職者の範囲

失業手当の受給で有利になる特定受給資格者と特定理由離職者に当たる離職理由を、ハローワークの資料の区分どおりに一覧にします。

結論: 倒産・解雇などは特定受給資格者、正当な理由のある自己都合などは特定理由離職者

ハローワークは、倒産・解雇などで再就職の準備をする時間的余裕なく離職した人を特定受給資格者、それ以外で、期間の定めのある契約が更新されなかった人や正当な理由のある自己都合で離職した人を特定理由離職者として扱います。どちらも、受給資格に必要な被保険者期間が、離職前1年間に6か月以上あれば足ります(一般は離職前2年間に12か月以上)。最終的な判定はハローワークが行います。

区分どんな人か被保険者期間の目安
特定受給資格者「倒産」等により離職した人、「解雇」等により離職した人(下の表)離職前1年間に6か月以上
特定理由離職者期間満了で契約が更新されなかった人、正当な理由のある自己都合で離職した人(下の表)離職前1年間に6か月以上

給付日数の表は、特定受給資格者と、特定理由離職者のうち期間満了で更新がなかった人(離職日が2009年3月31日から2027年3月31日までの人に限る)で、同じものが使われます。日数は失業手当はいつ・いくらで確認できます。

特定受給資格者の範囲(1)「倒産」等により離職した人

番号離職理由
(1)倒産(破産、民事再生、会社更生等の手続きの申立て、または手形取引の停止等)に伴い離職した
(2)事業所で大量雇用変動の届出(1か月に30人以上の離職を予定)がされたため離職した、または事業主に雇用される被保険者の3分の1を超える人が離職したため離職した
(3)事業所の廃止(事業活動停止後に再開の見込みがない場合を含む)に伴い離職した
(4)事業所の移転により、通勤することが困難となったため離職した

特定受給資格者の範囲(2)「解雇」等により離職した人

番号離職理由
(1)解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く)により離職した
(2)労働契約の締結のときに明示された労働条件が、事実と著しく相違したことにより離職した
(3)賃金(退職手当を除く)の額の3分の1を超える額が、支払期日までに支払われなかったことにより離職した
(4)賃金が、それまでに支払われていた賃金に比べて85%未満に低下した(または低下することとなった)ため離職した(低下の事実を予見できなかった場合に限る)
(5)離職の直前6か月間に、いずれか連続する3か月で45時間、いずれか1か月で100時間、またはいずれか連続する2か月以上の期間の平均で1か月80時間を超える時間外労働が行われたため離職した。事業主が危険・健康障害のおそれを行政機関から指摘されたのに必要な措置を講じなかったため離職した場合も含む
(6)事業主が法令に違反し、妊娠中・出産後の人、育児・介護を行う人を就業させたり、雇用継続の制度の利用を不当に制限したり、妊娠・出産・制度の利用を理由に不利益な取扱いをしたため離職した
(7)事業主が職種転換等のとき、職業生活の継続のために必要な配慮を行っていないため離職した
(8)期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されるに至った場合に、契約が更新されないこととなり離職した
(9)期間の定めのある労働契約の締結のとき、契約が更新されることが明示されていた場合に、契約が更新されないこととなり離職した((8)に当たる場合を除く)
(10)上司・同僚等からの故意の排斥、著しい冷遇、嫌がらせを受けて離職した。事業主が職場のセクシュアルハラスメントの事実を把握していながら必要な措置を講じなかったため離職した。事業主が妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関する言動で就業環境が害されている事実を把握していながら必要な措置を講じなかったため離職した
(11)事業主から直接または間接に退職するよう勧奨を受けて離職した(従来から恒常的に設けられている早期退職優遇制度等に応募して離職した場合は当たらない)
(12)事業所で使用者の責めに帰すべき事由による休業が引き続き3か月以上となったことにより離職した
(13)事業所の業務が法令に違反したため離職した

特定理由離職者の範囲

1 期間の定めのある契約が更新されなかった人

期間の定めのある労働契約の期間が満了し、契約の更新がないことにより離職した人です。本人が更新を希望したのに、更新の合意が成立しなかった場合に限ります。上の(8)または(9)に当たる場合は特定受給資格者です。ハローワークの資料は、契約更新条項が「契約の更新をする場合がある」とされているなど、更新の明示はあるが更新の確約まではない場合がこの基準に当たると補足しています。

2 正当な理由のある自己都合で離職した人

番号離職理由
(1)体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力・聴力・触覚の減退等により離職した
(2)妊娠、出産、育児等により離職し、雇用保険法第20条第1項の受給期間延長の措置を受けた
(3)父母の死亡・疾病・負傷等のため父母を扶養するために離職を余儀なくされた、または常時本人の看護を必要とする親族の疾病・負傷等のために離職を余儀なくされたなど、家庭の事情が急変して離職した
(4)配偶者または扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難となったことにより離職した
(5)結婚に伴う住所の変更、育児に伴う保育施設の利用や親族等への保育の依頼、事業所の通勤困難な地への移転、自己の意思に反する住所・居所の移転、鉄道・バス等の廃止や運行時間の変更、事業主の命による転勤・出向に伴う別居の回避、配偶者の転勤・出向や再就職に伴う別居の回避のいずれかにより、通勤が不可能または困難となって離職した
(6)その他、上の特定受給資格者の(11)に当たらない企業整備による人員整理等で、希望退職者の募集に応じて離職した

ハローワークの資料は、この「正当な理由のある自己都合」は、給付制限を行う場合の「正当な理由」の認定基準と同様に判断されると補足しています。

離職票の理由欄との関係

離職票に書かれた離職理由に納得できないときは、ハローワークで異議を申し立てられます。離職票の見方と手続きは、離職票の見方と離職理由に異議があるときで整理しています。会社都合・自己都合の違いを退職金と合わせて比べるときは、退職理由別の退職金・失業手当の比較を使えます。

このページで扱わないこと

自分の離職理由がどの区分に当たるか、(4)の賃金の低下が「予見できなかった」場合に当たるかなどの個別の判断は、ここでは行いません。ハローワークの資料の記載をそのまま整理した一覧で、具体的な判定は、離職票や賃金台帳、タイムカードなどの資料を持ってハローワークで確認します。

関連するページ

よくある質問

特定受給資格者とは、どんな人ですか。

倒産・解雇などにより、再就職の準備をする時間的余裕なく離職した人です。倒産、事業所の廃止、解雇(重大な理由による解雇を除く)、賃金の大幅な低下、長時間の時間外労働、ハラスメント、退職勧奨などが、ハローワークの範囲として挙げられています。

残業が多くて辞めた場合は、特定受給資格者になりますか。

離職の直前6か月間に、いずれか連続する3か月で45時間、いずれか1か月で100時間、またはいずれか連続する2か月以上の平均で1か月80時間を超える時間外労働があった場合は、特定受給資格者の範囲に入ります。実際に当たるかどうかは、ハローワークが資料を見て判断します。

契約社員の契約が更新されなかったときは、どちらに当たりますか。

更新により3年以上引き続き雇用された場合や、更新が明示されていたのに更新されなかった場合は特定受給資格者です。それ以外で、本人が更新を希望したのに合意が成立しなかった場合は、特定理由離職者です。

特定理由離職者の「正当な理由のある自己都合」には、何が含まれますか。

病気やけが、妊娠・出産・育児、親族の介護や看護など家庭の事情の急変、別居生活が続けられなくなったこと、結婚や転居・転勤などによる通勤困難、希望退職への応募などがあげられています。

特定受給資格者や特定理由離職者かどうかは、誰が決めますか。

ハローワークが、離職票や事実を確認する資料を見て判断します。離職票の理由に納得できない場合は、ハローワークで異議を申し立てられます。

ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」、「基本手当について」、「基本手当の所定給付日数」にもとづく一般的な説明です(確認日: 2026-10-15)。個別の判断はハローワークが行うため、住所地を管轄するハローワークへ確認してください。

出典