年の途中で退職した人の年末調整と確定申告

年の途中で辞めると、年末調整は原則受けられません。年内に再就職するかどうかで、出す書類と手続きが分かれます。国税庁の資料で整理します。

このページで扱うのは給与分の話です

退職金そのもの(退職所得)は、会社が退職所得控除を引いて源泉徴収をする別の計算で、退職所得の受給に関する申告書を出していれば原則として確定申告は不要です。このページは、退職するまでの月々の給与(給与所得)について、年末調整と確定申告がどうなるかを扱います。

年の途中で退職した人は年末調整の対象外が原則

年末調整は、毎月の給与から引かれた所得税と、1年分の正しい所得税との差を会社が精算する手続きです。12月に行う年末調整の対象は、1年を通じて勤務している人と、年の途中で就職して年末まで勤務している人です。年の途中で退職した人は、次の5つのいずれかに当てはまる場合だけ、退職時に年末調整が行われます。

国税庁は、年の途中で退職した人でこの5つのうち最初の4つ以外の人は、年末調整の対象にならないとしています。

再就職の有無で手続きが分かれる

項目年内に再就職した場合年内に再就職しない場合
年末調整新しい会社が前の会社の給与も含めて行う受けられない(上の5つに当てはまる場合を除く)
自分で出すもの前の会社の給与所得の源泉徴収票を新しい会社へ確定申告書(還付申告)を税務署へ
納め過ぎの精算新しい会社の年末調整で精算還付申告で戻る

年内に再就職した場合:前職の源泉徴収票を新しい会社へ

年の途中で就職した人の年末調整では、新しい会社が、その年に他の会社から給与を受けたかを確認します。前の会社に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を出して受けた給与があれば、それも合わせて年末調整をします。確認は、前の会社から交付を受けた「給与所得の源泉徴収票」で行います。

この源泉徴収票が出せず確認できないときは、新しい会社では年末調整ができません。その場合は本人が確定申告で精算します。退職金に対する源泉徴収票は別の書類で、見方は退職所得の源泉徴収票の見方にまとめています。

年内に再就職しない場合:自分で確定申告して還付を受ける

年末調整を受けずに源泉徴収された所得税が納め過ぎになっているときは、確定申告(還付申告)で戻ります。国税庁は、給与所得者が還付申告できる具体例の最初に「年の途中で退職し、年末調整を受けずに源泉徴収税額が納め過ぎとなっているとき」を挙げています。

還付申告は確定申告の期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出できます。ただし、給与の源泉徴収票の「源泉徴収税額」が0円の人は、申告しても還付される額はありません。

確定申告が義務になる場合

還付を受ける申告とは別に、給与所得者でも確定申告をしなければならない場合があります。国税庁が挙げる例は、給与の年間収入が2,000万円を超える人、給与以外の所得(給与所得と退職所得を除く)の合計が20万円を超える人などです。退職所得については、正規の方法で計算した税額が源泉徴収された額より多くなる人も申告が必要です。自分が当てはまるかの判断が分かれるときは、税務署または税理士へ確認してください。

関連する手続きの期限

退職後の国民健康保険や年金の切り替えなど、期限の短い手続きは退職後の手続き期限の一覧で確認できます。退職金を受け取った年の医療費控除と確定申告の関係は退職金を受け取った年の医療費控除、受取前後の手続きの順番は退職金の受取前後の手続きチェックリストに整理しています。

自分の条件で手取りを確かめる

業種・企業規模・勤続年数ごとの退職金の相場は相場を見る、税引後の手取りの試算は手取り計算で確認できます。

よくある質問

年の途中で退職すると、前の会社で年末調整を受けられますか。

原則として受けられません。年の途中で行う年末調整の対象は、非居住者になった人、死亡退職の人、著しい心身の障害で退職した人、12月分の給与を受けた後に退職した人、年間給与が136万円以下のパートタイマーなどの退職者の5つに限られます。それ以外の退職者は年末調整の対象外です。

年内に再就職した場合、何を新しい会社に出しますか。

前の会社から受け取った給与所得の源泉徴収票を出します。新しい会社は、前の会社の給与と徴収された所得税や社会保険料の額をこの源泉徴収票で確認し、合算して年末調整をします。確認できないときは年末調整ができず、本人が確定申告で精算します。

年内に再就職しない場合は、確定申告が必要ですか。

年末調整を受けずに源泉徴収税額が納め過ぎになっているときは、確定申告(還付申告)をすると納め過ぎの所得税が戻ります。給与の源泉徴収票の源泉徴収税額が0円の場合は、申告しても還付される額はありません。

還付を受ける確定申告はいつまでにすればよいですか。

還付申告は確定申告の期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出できます。

国税庁タックスアンサー No.2665「年末調整の対象となる人」、No.2674「中途就職者の年末調整」、No.2030「還付申告」、No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」(令和8年4月1日現在法令等)の記載にもとづく一般的な説明です。個別の税務判断は、税理士または税務署へ確認してください。

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