退職金の支払時期と請求できる期間(消滅時効5年)

退職金の支払時期は就業規則に定める事項で、請求権の消滅時効は5年です。労働基準法の条文と、厚生労働省・労働局の資料で確認できる範囲を整理します。

退職金は法律で必ず出すものではない

厚生労働省の茨城労働局のQ&Aでは、退職金について一般的な法律上の定めはなく、必ず支給しなければならないものではないと説明しています。支給する場合は、条件や計算方法を契約で定めます。

支給条件が就業規則などで明確に定められ、労働者が権利として請求できる場合、退職金は労働基準法の「賃金」に当たり、支払わないと全額払いを定めた第24条に抵触するとされています。

支払時期は就業規則に書くことになっている

労働基準法第89条第三号の二は、退職手当の定めをする場合、就業規則に次の事項を書くよう求めています。

この規定が適用されるのは、常時10人以上の労働者を使用する使用者です(第89条)。

厚生労働省のモデル就業規則(第54条)は「支給事由の生じた日から〇か月以内に支払う」という形で、月数は空欄です。解説には、支払方法と支払時期は各企業が実情に応じて定めるとあります。実際の時期は、勤め先の退職金規程で確認します。

大阪労働局のQ&Aには、退職金規程があるときは、規程に基づき所定支払日に全額を支払う必要があるという回答があります。

退職後7日以内の規定との関係

労働基準法第23条は、労働者が死亡または退職した場合に権利者から請求があれば、7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還するよう定めています。争いがある場合は、異議のない部分を7日以内に支払います。

この7日以内と、就業規則で決めた退職金の支払時期との関係は、今回確認できた厚生労働省の資料では示されていませんでした。このページでは断定しません。支払時期が過ぎても払われないときは、労働基準監督署などに相談してください。

退職金を請求できる期間は5年

労働基準法第115条は、賃金の請求権を「行使することができる時から」5年間、行使しないと時効で消滅すると定めています。

2020年4月1日の法改正で、通常の賃金の請求権の消滅時効は2年から5年に延び、当分の間は3年とされました。厚生労働省は、退職金請求権(従来から5年)などの消滅時効期間は変更されていないと案内しています。

請求するもの消滅時効の期間(厚生労働省の案内)
退職金5年(改正前から変更なし)
通常の賃金(2020年4月1日以降に支払期日が来るもの)本来5年、当分の間は3年

5年を数え始める時点は条文上「行使することができる時」です。退職金では、規程で決まった支払日が来て請求できるようになった時が目安になりますが、個別の事案での判断は労働基準監督署や弁護士に確認してください。

受け取ったあとの税金と手続き

退職金を受け取るときは、勤め先に「退職所得の受給に関する申告書」を出すかどうかで源泉徴収が変わります。違いは退職所得の受給に関する申告書で、手取りの目安は退職金の手取り早見表と手取り計算で確認できます。

労働基準法(e-Gov法令検索)と厚生労働省・都道府県労働局の資料にもとづく一般的な説明です。個別の退職金規程や請求の可否は断定できません。確認日: 2026-10-08。支払いが遅れる場合などは、労働基準監督署や弁護士にご相談ください。

出典