金融業,保険業に勤める一般従業員を対象に、東京都「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」のモデル退職金データを学歴・勤続年数別にまとめました。対象は都内・従業員10〜299人の中小企業です。自己都合退職・会社都合退職それぞれの支給額(万円)を確認できます。
自分の退職金額がわかったら、手取り計算ページで税引後の金額を試算できます。退職後に気になることについては、国民健康保険料や配偶者控除・扶養控除も確認できます。他の業種と比較したい場合は業種別ベンチマークページと、14業種を1枚の表に並べた業種別の退職金を一覧で比較をご覧ください。金額ごとの手取りは退職金の手取り早見表、控除の枠は退職所得控除額の早見表、税金を抑えるために会社へ出す書類は退職所得の受給に関する申告書で確認できます。退職金がいつ支払われるか、請求できる期間は退職金の支払時期と請求できる期間(時効5年)、会社から支払われない場合の制度は未払賃金立替払制度で立替される退職手当にまとめています。
金融業,保険業の退職金の表(学歴・勤続年数別、自己都合・会社都合)
高校卒
| 勤続年数 | 年齢 | 自己都合退職 | 会社都合退職 |
|---|---|---|---|
| 1年 | 19 | — | — |
| 3年 | 21 | 29.2万円 | 30.7万円 |
| 5年 | 23 | 56.2万円 | 59.6万円 |
| 10年 | 28 | 130.3万円 | 138.6万円 |
| 15年 | 33 | 251.5万円 | 270.1万円 |
| 20年 | 38 | 394.8万円 | 422.6万円 |
| 25年 | 43 | 570.4万円 | 612.4万円 |
| 30年 | 48 | 792.2万円 | 850.1万円 |
| 35年 | 53 | 1062.0万円 | 1142.4万円 |
| 37年 | 55 | 877.4万円 | 1248.0万円 |
| 定年 | — | — | 1497.0万円 |
高専・短大卒
| 勤続年数 | 年齢 | 自己都合退職 | 会社都合退職 |
|---|---|---|---|
| 1年 | 21 | — | — |
| 3年 | 23 | 29.7万円 | 31.9万円 |
| 5年 | 25 | 55.9万円 | 61.3万円 |
| 10年 | 30 | 146.9万円 | 156.0万円 |
| 15年 | 35 | 286.5万円 | 305.4万円 |
| 20年 | 40 | 464.6万円 | 499.2万円 |
| 25年 | 45 | 654.2万円 | 700.9万円 |
| 30年 | 50 | 872.9万円 | 933.7万円 |
| 35年 | 55 | 1149.1万円 | 1232.7万円 |
| 定年 | — | — | 1521.1万円 |
大学卒
| 勤続年数 | 年齢 | 自己都合退職 | 会社都合退職 |
|---|---|---|---|
| 1年 | 23 | — | — |
| 3年 | 25 | 38.0万円 | 48.1万円 |
| 5年 | 27 | 66.5万円 | 81.4万円 |
| 10年 | 32 | 177.0万円 | 207.9万円 |
| 15年 | 37 | 340.1万円 | 389.6万円 |
| 20年 | 42 | 555.9万円 | 625.1万円 |
| 25年 | 47 | 871.3万円 | 952.7万円 |
| 30年 | 52 | 1147.5万円 | 1241.0万円 |
| 33年 | 55 | 1326.4万円 | 1434.2万円 |
| 定年 | — | — | 1940.4万円 |
金融業,保険業の大学卒・勤続30年の退職金にかかる税金の目安
上の大学卒・勤続30年のモデル退職金から、国税庁タックスアンサーNo.1420の退職所得控除額を引いて、税金の目安を出しました。勤続30年の退職所得控除額は、800万円+70万円×(30年−20年)=1,500万円です。
| 項目 | 自己都合退職 | 会社都合退職 |
|---|---|---|
| モデル退職金(大学卒・勤続30年) | 1147.5万円 | 1241.0万円 |
| 退職所得控除額(勤続30年) | 1,500万円 | 1,500万円 |
| 課税退職所得((退職金−控除額)×2分の1。0円以下なら0円) | 0円 | 0円 |
| 所得税・復興特別所得税・住民税の合計 | 0円 | 0円 |
| 手取りの目安 | 1147.5万円 | 1241.0万円 |
どちらも控除額の1,500万円を下回るため、「退職所得の受給に関する申告書」を勤め先へ出していれば、所得税等も住民税もかかりません。申告書を出していない場合は、支払いの際に退職金の20.42%が源泉徴収されます(会社都合なら約253.4万円)。その分は確定申告で精算します。
この計算は、新卒で入社して勤続30年ちょうどで退職し、役員ではなく、他の退職金を同じ年に受け取らない一般の従業員を想定しています。前年以前に別の退職金を受け取った場合や障害者になったことが原因の退職では、控除額が変わります。個別の税額は、勤め先の経理担当、税理士または税務署へ確認してください。他の勤続年数や金額の税額は退職金の手取り早見表と手取り計算で確認できます。
金融業,保険業のデータを読むときの注意
このページの金額は、金融業,保険業の中でも退職金を記入した従業員10〜299人の企業の平均です。記入企業数は学歴・勤続年数の欄によって5〜9社で、全産業(調査産業計)より大幅に少ない集計です。次の点を踏まえて読んでください。
- 保険会社だけの数値ではありません。「金融業,保険業」は銀行・証券・保険など複数の業態を含む区分で、保険業だけを取り出した数値は公表されていません。
- 従業員300人以上の企業は含まれません。従業員数の多い保険会社や金融機関の水準を示すものではなく、自社が大企業の場合は相場を見るページの大企業向けの調査もあわせて確認してください。
- 勤続年数が長いほど増えるとは限りません。高校卒の自己都合退職は、勤続35年が1062.0万円、37年が877.4万円と、年数が長い欄のほうが低くなっています。記入企業が5社と少なく、企業ごとの規程の違いが平均に出やすいためと考えられます。
- 全産業より高めに出ています。大学卒・勤続20年の自己都合退職は、金融業,保険業が555.9万円、全産業が346.8万円です(全業種のページ)。ただし少数企業の平均なので、業種の差だけを表す数字とは言えません。
- 年金で受け取る制度を持つ企業が多い業種です。退職給付制度がある企業は92.8%(全体は74.9%)で、一時金のみが35.9%、年金のみが27.5%、両制度併用が36.6%です(厚生労働省 令和5年就労条件総合調査、全国・常用労働者30人以上の企業)。年金のみ・併用を合わせた年金制度のある企業は64.1%で、全体の31.0%の約2倍です。年金で受け取る場合の税金は退職金を年金で受け取るときの税金で確認できます。
実際の金額は、勤め先の退職金規程(支給率・算定の基礎額・勤続年数の区分)で決まります。規程は会社の人事担当に確認し、読み方は退職金規程の読み方で確認できます。
よくある質問
保険会社の退職金は、勤続20年でいくらくらいですか?
東京都「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」では、金融業,保険業の大学卒・勤続20年で、自己都合退職が555.9万円、会社都合退職が625.1万円です。従業員10〜299人の企業の平均で、保険会社だけを取り出した数値ではありません。
大手の保険会社の退職金も、この表に含まれますか?
含まれません。この表の対象は東京都内の従業員10〜299人の企業です。従業員300人以上の企業の水準は、相場を見るページの大企業向けの調査で確認してください。
自己都合と会社都合で、なぜ金額が違うのですか?
退職金規程で、退職の理由ごとに支給率を分けている企業があるためです。この表の大学卒・勤続20年では、会社都合が自己都合より69.2万円高くなっています。差の大きさは勤め先の規程で決まります。
表にない勤続年数(12年など)の目安は、どう見ればよいですか?
前後の勤続年数の金額(10年と15年など)の間を目安にします。ただし支給額は規程の区分で段階的に変わる場合があるため、正確な金額は勤め先の退職金規程で確認してください。
生命保険会社の退職金の平均は、いくらですか?
このページの数値は、東京都「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」の金融業,保険業の区分で、生命保険会社だけの平均ではありません。銀行・証券なども含み、保険業だけを取り出した数値は公表されていません。対象も都内・従業員10〜299人の企業のため、従業員の多い生命保険会社の水準を示すものではありません。
他の業種の相場を確認する
全業種(調査産業計) / 不動産業,物品賃貸業 / 建設業 / 情報通信業
業種を横断して比べるときは業種別ベンチマーク、受け取る退職金の税引後の金額は手取り計算で確認できます。
データについて
東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」第8表(業種別モデル退職金)を使用しています。学歴3区分(高校卒・高専短大卒・大学卒)×勤続年数11区分(1〜37年・定年)で、自己都合退職・会社都合退職それぞれの支給額(千円単位を万円に換算)が公開されています。
詳しい出典はデータの出典ページをご覧ください。