定年退職者1人平均の退職給付額の推移(大学卒・高校卒、平成20年〜令和5年)

厚生労働省「就労条件総合調査」の定年退職者1人平均の退職給付額を、平成20年・25年・30年・令和5年の調査で並べます。集計範囲が同じで比べられる組み合わせだけを分けて載せています。

平成20年・25年・30年の推移(同じ集計範囲)

平成25年調査の概況は平成20年を並べて載せ、平成30年調査の概況は、平成25年調査と時系列で比較するときは「複合サービス事業を含まない集計」(平成30年調査計※)を見るよう注記しています。ここではその集計を使い、勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者の1人平均退職給付額(月収換算の月数)を並べました。

学歴・職種平成20年調査平成25年調査平成30年調査(※)
大学卒(管理・事務・技術職)2,280万円(42.7か月分)1,941万円(37.6か月分)1,788万円(34.6か月分)
高校卒(管理・事務・技術職)1,970万円(44.6か月分)1,673万円(39.7か月分)1,396万円(36.1か月分)
高校卒(現業職)1,493万円(44.9か月分)1,128万円(35.0か月分)1,155万円(36.1か月分)

※ 平成30年調査は、常用労働者30人以上の会社組織の民営企業で、複合サービス事業を含まない集計です。学歴の区分は平成25年以前が「大学卒」、平成30年は「大学・大学院卒」と表記されています。

平成20年から平成30年までの差は、大学卒が492万円、高校卒(管理・事務・技術職)が574万円、高校卒(現業職)が338万円、いずれも減っています。平成25年から平成30年にかけては、高校卒(現業職)だけが27万円増えています。

平成30年と令和5年の比較(調査計どうし)

令和5年調査の概況は、平成30年調査計と並べて載せています。この2つは並べて読めます。

学歴・職種平成30年調査計令和5年調査計差
大学・大学院卒(管理・事務・技術職)1,983万円(38.6か月分)1,896万円(36.0か月分)87万円減
高校卒(管理・事務・技術職)1,618万円(40.6か月分)1,682万円(38.6か月分)64万円増
高校卒(現業職)1,159万円(36.3か月分)1,183万円(34.3か月分)24万円増

平成30年調査の数字は、上の表の「平成30年調査(※)」と別の集計です。たとえば大学卒は、複合サービス事業を含む調査計で1,983万円、含まない集計で1,788万円と、同じ調査年でも195万円違います。表の数字を1本の線に結ばないでください。

この推移の読み方

計算例:勤続年数と退職金額から退職所得の金額まで

上の表の金額を、税の計算に当てはめる例です。表の平均額は勤続年数ごとの数字ではないため、勤続年数は例として仮に置いています。退職所得控除額は国税庁タックスアンサーNo.1420の式(勤続年数20年超は800万円+70万円×(勤続年数-20年))で求め、役員等以外の勤務のみ・障害による退職でない・過去に退職金を受け取っていない人の場合として計算します。

例勤続年数(仮)退職金額退職所得控除額退職所得の金額
平成30年調査(※)の大学卒の平均額38年1,788万円800万円+70万円×18年=2,060万円0円(退職金が控除額以下)
令和5年調査計の大学・大学院卒の平均額30年1,896万円800万円+70万円×10年=1,500万円(1,896万円-1,500万円)×1/2=198万円
令和5年調査計の高校卒(現業職)の平均額25年1,183万円800万円+70万円×5年=1,150万円(1,183万円-1,150万円)×1/2=16.5万円

同じ平均額でも、勤続年数が違うと退職所得の金額は大きく変わります。ここで求めたのは所得税・住民税の課税対象になる退職所得の金額までで、税額そのものではありません。税額と手取りは手取り計算で試算できます。勤続年数の数え方は勤続年数の数え方、控除額の一覧は退職所得控除額の早見表で確認できます。

自分の条件で確かめる

金額の見通しがついたら、手取り計算で税引後の手取りを試算できます。自社の算定式は退職金規程の読み方で確かめられます。

よくある質問

定年退職金は昔より減っていますか。

同じ集計範囲で比べられる平成20年・25年・30年の調査では、大学卒(管理・事務・技術職)は2,280万円、1,941万円、1,788万円と下がっています。ただし調査ごとに対象企業が入れ替わるため、実際の傾向と断定はできません。

平成30年と令和5年の調査は、そのまま比べられますか。

令和5年調査の概況は平成30年調査計と並べて掲載しています。この2つは並べて読めますが、平成25年以前とは集計範囲が異なる(平成30年調査計は複合サービス事業を含む)ため、平成20年から令和5年までを一本の線で結ぶことはできません。

定年退職金が平均額と同じなら、税金はかかりますか。

勤続年数によります。平均額1,788万円でも勤続38年なら退職所得控除額が2,060万円になり、退職所得の金額は0円です。勤続30年で1,896万円なら、控除後の396万円の2分の1にあたる198万円が退職所得の金額になります。個別の税額は、勤務先の源泉徴収や税務署で確認してください。

厚生労働省「就労条件総合調査 結果の概況」(退職給付(一時金・年金)の支給実態)にもとづく一般的な統計の説明です。個別の会社の退職金は、就業規則・退職金規程で確認してください。

出典