特別功労金・功労金の税:退職所得か給与所得か

退職に際して、または退職後に支払われる功労金が、退職所得と給与所得のどちらになるかを、国税庁の資料にもとづいて整理します。

結論:名称ではなく、支払金額の計算基準で分かれる

「特別功労金」「功労金」という名前だけでは、所得の区分は決まりません。区分は、そのお金が退職したことで一時に支払われる給与なのか、在職中の人に出る賞与と同じ性質なのかで分かれます。

支払の性質所得の区分根拠
退職しなかったとしたならば支払われなかったもので、退職したことに基因して一時に支払われる給与退職所得(退職手当等)タックスアンサーNo.2725
退職に際しまたは退職後に支払われても、支払金額の計算基準などからみて、引き続き勤務している人の賞与等と同性質のもの給与所得タックスアンサーNo.2725、所得税基本通達30-1
本来の退職手当と一緒に支給される功労金退職手当等に含めて源泉徴収タックスアンサーNo.2732

退職所得に当たる場合は、退職所得控除額を引いた残りの2分の1が課税対象になります(退職所得控除額の早見表)。給与所得に当たる場合は、ほかの給与と合計して税額が決まるため、同じ金額でも税額が変わることがあります。

退職所得か給与所得かを分ける見方

退職所得の意味は、所得税法第30条第1項に「退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与」とあります。所得税基本通達30-1は、この「退職手当等」を、退職しなかったとしたならば支払われなかったもので、退職したことに基因して一時に支払われることとなった給与と説明しています。そのうえで、退職に際しまたは退職後に使用者等から支払われる給与でも、支払金額の計算基準などからみて、他の引き続き勤務している人に支払われる賞与等と同性質のものは、退職手当等に当たらないとしています。

功労金は名前のうえでは「功績に報いるお金」ですが、上の見方にあてはめると、次のように分けて考えます。

どちらに当たるかは、支給の規程、金額の決め方、支給決定の書類などの事情で変わります。この説明は国税庁の一般的な考え方であり、個別のケースを断定するものではありません。

退職金と一緒に功労金が出るとき

国税庁タックスアンサーNo.2732は、会社が退職手当等を支払うときの源泉徴収について、退職したことに基因して支払われるすべての給与が含まれるため、本来の退職手当のほかに功労金などを支給しても、退職手当等に含めなければならないとしています。受け取る側からみると、退職金に上乗せされた功労金は、退職手当等として扱われる前提で手取りを考えます。

手取りの目安は手取り計算で、退職金に功労金を足した金額を入れて試算できます。

支払われた後に確かめる点

よくある質問

特別功労金は退職所得になりますか。

名称では決まりません。国税庁は、退職しなかったとしたならば支払われなかったもので、退職したことに基因して一時に支払われる給与を退職手当等としています。退職に際しまたは退職後に支払われる給与でも、支払金額の計算基準などからみて、引き続き勤務している人の賞与等と同性質のものは、退職所得ではなく給与所得とされます。どちらに当たるかは個別の事情で変わるため、税理士または税務署へ確認してください。

退職金とは別に功労金を支給されたら、源泉徴収はどうなりますか。

国税庁タックスアンサーNo.2732は、退職手当等には退職したことに基因して支払われるすべての給与が含まれるため、本来の退職手当のほかに功労金などを支給しても、退職手当等に含めて源泉徴収するとしています。

退職後に支払われた功労金も退職所得になりますか。

退職後に支払われるものも、国税庁の考え方の対象に含まれます。退職したことに基因して一時に支払われる給与であれば退職手当等に当たり、賞与等と同性質であれば給与所得とされます。支払の趣旨は規程や支給決定の書類で決まるため、個別の判断は税理士または税務署へ確認してください。

本人が亡くなったあとに支払われる功労金はどうなりますか。

死亡退職により支払う退職手当等で相続税の課税の対象となるものは、所得税の課税の対象になりません(国税庁タックスアンサーNo.2732の注)。相続税の扱いは死亡退職金と相続税で整理しています。

国税庁タックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)、所得税基本通達、所得税法にもとづく一般的な説明です。功労金がどの所得に当たるかは支給の事情で変わり、断定できません。税務相談・申告代行は行っていません。税理士または税務署へ確認してください。

出典